左フロント部分をぶつけてしまったマセラティギブリの鈑金塗装修理を依頼されましたのでご紹介します。
走行中に飛来して来たゴミ袋が、運悪くマセラティギブリのフロントガラスに張り付いて前が見えなくなってしまったそうです。
直ぐに少し左側に車を寄せて止まろうとしたそうですが、たまたまその場所に駐車中の車があり、その車の右後方にマセラティギブリの左フロント部分をぶつけてしまったそうです。
フロントバンパーと左フロントフェンダーには大きな変形があり、左フロントのタイヤ・ホイールも相手車両に直撃してしまいました。
相手車両の損害に対物保険を使う事になるので、ご自分のお車も車両保険で修理する事になりマセラティギブリをお預かりしました。
今回のマセラティギブリ修理の作業方針は、フロントバンパーと左フロントフェンダーを取替塗装し、左フロントドアへは色の差異を無くす為のボカシ塗装、左フロントタイヤ・ホイールの取替になります。
またお客様は、タイヤ・ホイールの損傷がある事からサスペンションへの影響やフレームの歪みの有無も心配されておりましたので、インターパシフィックで所有している三次元車両計測器(セレットナジャ)にてボディの計測を行いました。セレットナジャは、計測単位が0.1mmという非常に高精度の機器です。
計測の結果、ボディのフレームには歪みはありませんでしたが、サスペンションアーム類とサスペンションメンバーに曲がりがある事が判明しました。
まずはフロントバンパー・フロントフェンダー・ヘッドライトを外し、ボディ廻りから作業に取り掛かります。
フロントフェンダーの取付ブラケットも交換が必要になったので、先に塗装しておきます。
一部塗装がされていなかったり塗装が薄い様な部分がありますが、オリジナル感を出す為に敢えてこの様に塗り分けしています。
新品のフロントバンパー・フロントフェンダーを車体に仮付けして、パネルの立付け・パネルとパネルの隙間の調整等、念入りに確認をします。
フロントフェンダーは隣接パネルとの隙間の調整や新品パネルの微妙なひずみを消すために、数か所パネル表面を削る必要がありました。
またフロントバンパーも数か所、表面処理が必要でした。
フロントフェンダー・フロントバンパー共に表面処理した部分にプライマーサフェーサーを塗装ししっかりシールし、赤外線ヒーターで十分に加熱乾燥させます。
フェンダーやバンパーの下地作業をしている一方で、同時進行で足廻り部品の交換作業に取り掛かります。
マセラティギブリをリフトアップして左フロントサスペンションアーム類とサスペンションメンバーを取り外します。
この様な状態で部品が外されました。
新品の各サスペンションアームとサスペンションメンバー、ボルトやナットを準備し元通りに組み付けて行きます。
フロントフェンダーの裏側を塗装します。
フェンダーライナーを取り付けてしまえば見えなくなってしまう部分ですが、ここもフェンダーブラケット同様オリジナル感が出る様にしっかり塗る部分と薄っすらしか塗らない部分を上手く塗り分けします。
ゴミや埃をシャットアウトした塗装ブースで、熟練の塗装職人がマセラティギブリの質感や塗装肌を再現すべく、フロントフェンダー・フロントドア・フロントバンパーをそれぞれ丁寧に塗装します。
パネル単体で塗装したフロントフェンダーを車体に取り付けます。
塗装の際にはフロントドアはボディに付いた状態でしたが、フェンダー取り付け時にはフロントドアは取り外されています。
このドアの脱着にはいくつかの理由があるのですが、1つ目はこのマセラティギブリの場合、フロントドアが付いているとフロントフェンダーの取替作業が困難と言う作業上の理由です。
そして2つ目の理由が、フロントフェンダーの取付ボルトの塗装をし易くする為です。
フロントフェンダーを脱着すると、取付ボルトを工具で緩め・締め付ける事によってこのように取付ボルトの頭部の塗装が剥がれてしまいます。
これをそのままにしてしまうとボルト頭部が錆びてしまったり、お車の買い取り等の際にフロントフェンダーの取替が明らかになってしまい、査定に影響を与えてしまう事になりかねません。
車種によってはもちろんドアは外さずに作業する事になりますが、ドアを外す事で今度はドアの取付ボルトの問題が発生するのですが、このマセラティギブリはドアの脱着の為にボルトに触れる必要が無かったと言う構造上の要因もありドアを外したのでした。
この様な取付ボルトの処置は、そのままにして何もしなかったり、筆で塗るタッチアップ程度で済ませてしまう鈑金塗装工場が多いのですが、インターパシフィックでは綺麗に塗装して、ボルトを外したことがわからないように仕上げるようにしています。
前述のフェンダーブラケットやフェンダー裏側の塗装の際に、オリジナル感を出す様に塗装する事も含め、このような細かい部分まで気を配る事で、まるで何事もなかったかのように修復する事が出来、査定への悪影響も少なくなると考えているからで、インターパシフィックの拘りのひとつでもあります。
全ての部品を元通り組み付け、左フロントタイヤ・ホイールを新品に交換し四輪ホイールアライメント調整を行いました。
ロードテスト・各部作動点検の後、室内清掃・洗車、ボディの最終仕上げ磨きをしてマセラティギブリの鈑金塗装修理は完了です。
今回のマセラティギブリの保険会社との協定修理費用は、部品代1,190,484円と作業工賃969,516円の合計2,160,000円(税込)となりました。
このたびはインターパシフィックにマセラティギブリの鈑金塗装修理をご依頼いただき誠にありがとうございました。
元通り綺麗に直ったマセラティギブリを大切にお乗りください。
大切なお車を何事も無かったかのように
大切なお車を
何事も無かったかのように
インターパシフィックは長年にわたり高級輸入車の板金塗装を数多く手掛け、技術を磨いて参りました。
難易度の高い修理に対応する最新設備を導入し、厳選した塗料や材料を使用することで、高い修理品質を実現しております。
私達は、大切なお車が「ちゃんと元通りに直るのだろうか?」というお客様の不安を安心と喜びに変えることを最大の使命と考え、完成まで一切手を抜きません。
どこをどう直したのか全く分からないように、完璧な仕事を心掛けております。