ポルシェ 911 GT3 ガラスコーティング施工

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東京都世田谷区にお住まいのお客様から新車で納車されたばかりのポルシェ 911 GT3のコーティングを依頼されました。この際、ボディーのガラスコーティングだけでなく、ウインドウガラス全面とアルミホイールも全てコーティングをかけたいとのご要望でお車をお預かりしました。

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いくらポルシェが新車だからと言っても、しっかり下地を仕上げなくてはなりません。

ボディーの洗車をすませてから、養生しポルシェGT3のボディーを丹念に磨き上げていきます。

新車なので基本的にはボディーに傷等は無いのですが、こうしてポリッシャーを使って磨き込んでいくと、全く別物のように塗装の艶が増すものです。

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入念な磨き作業を終えると、ガラスコーティングの液剤をポルシェのボディーに塗り込んでいきます。

今回、ポルシェには水切れが早く、防汚性に優れたタイプのコーティング剤を使用しました。

施工後のお手入れが楽だと好評なガラスコーティングです。

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コーティング液を塗り込み、しばらく経つと艶が引けたように乾き、余剰成分だけが表面に浮かび上がってきます。

ボディーに被膜が定着した証しです。

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専用のクロスでボディーを拭き上げて仕上げます。

さらにウインドウガラス全面、ホイールにそれぞれ専用のコーティングを施工します。

 

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最後にポルシェを塗装乾燥ブースに移動し、焼き付け乾燥を行います。室内を60℃以上に昇温させ、1時間の乾燥を行います。

これによってコーティング被膜がしっかり硬化し、耐久性に優れた上質なコーティング被膜が完成します。

このたびは東京都世田谷区よりお越し頂き、インターパシフィックにポルシェ 911 GT3のコーティングをご依頼くださり、誠にありがとうございました。

素敵なポルシェ ライフをお楽しみください。

アストンマーティン DB9 ボンネット 板金塗装 修理事例

141028アストンマーティンDB9-1東京都町田市にお住いのお客様よりアストンマーティンDB9の板金塗装修理を依頼されましたのでご紹介いたします。
自宅ガレージのシャッターにボンネットの先端をぶつけてしまったそうです。青丸部分の塗装が剥がれ、写真では分かりにくいのですが、赤丸部分が少し歪んでおります。

141028アストンマーティンDB9-2アストンマーティンDB9のボンネットはアルミ製です。わずかな歪みではありますが、丁寧に板金します。アストンマーティンに限らずどんな車でもそうですが、アルミ製のパネルは鉄に比べ価格も高く、そのくせちょっとへこみが大きいと板金では修理できず部品交換になってしまいます。今回の事故はガレージのシャッターにぶつけてしまったわけですが、わずかな歪み程度の損傷だったのが不幸中の幸いでした。

141028アストンマーティンDB9-3板金した部位の僅かな凹凸をパテを使い成形し、平滑に仕上げます。先端の傷もサンダーで平らに削ります。

141028アストンマーティンDB9-4ボンネット中央にも今回の事故とは関係ありませんが飛び石による傷があったので、一緒に修理いたしました。
また、塗装作業の妨げになるエンブレムやダクトのアミも取り外しておきます。

141028アストンマーティンDB9-6板金した部位やサンダーで削った部分にプライマーサフェーサーを塗装し、シールします。赤外線ヒーターを使って充分な加熱乾燥を行い、塗膜をしっかりと硬化させます。

141028アストンマーティンDB9-7加熱した塗膜を冷まし充分な硬化が確認できたら、目の細かいサンドペーパーでボンネット全面を平滑に研ぎあげます。
車を塗装ブース内に移動し、チリや埃をシャットアウトした作業環境でアストンマーティンのオリジナルな塗装の肌や質感を再現すべく慎重に塗装します。

141028アストンマーティンDB9-9取外していた部品を組み付け、最後にコーティングを施工して修理完了です。
修理費用はボンネットのコーティング再施工を含め、税込178,200円となりました。元通り綺麗になったアストンマーティンDB9を大切にお乗りください。

事故歴車は買ってはいけない

大きな事故によって全損またはそれに近い状態になった車を再生することを「オコシ」と言います。修復歴は買わないのが賢明です

当社のホームページをご覧になったお客様から、修復歴のある中古車を購入したのだが完全に直っていないようなので修理して欲しいというご相談を受けることがよくあります。車がまともに真直ぐ走らず、あれこれ手を尽くしたが直らない。そんなトラブルを抱える方は意外に多いのです。

 事故でダメージを負った車を修理する板金塗装業の私が言うのも何ですが、個人的には修復歴有りの車はいくら安くても買うべきではないと思っております。なぜかと言いますと、まともに直っていない車が多すぎるからです。これは板金塗装工場の技術レベルに問題がある場合もありますが、中古車市場における修復歴車の評価に大きな問題があるのです。中古車市場の実態と修復歴車購入のリスクについてご説明します。

中古車市場の実態

 事故によってフレームなど骨格部位にダメージを負った車は、中古車市場では修復歴車(事故歴車)という格付けがされます。中古車の買取り相場は全国で定期的に開催されている中古車オークションの落札結果を基に動いており、出品される車はオークションの検査員の査定を受け、内外装の程度の良し悪しに応じた評価点が付けられます。そして査定の結果修復歴があることが判明すると記号などでそう明記されます。

 オークションの査定では、きちんと直っていても雑に仕上がっていてもそこに優劣の差は無く、ただ修復歴有という評価だけが付くのです。そしてこの中古車査定の評価方法を逆手に取ったビジネスが存在し、一つのマーケットを形成しています。

事故車のオコシ

 板金塗装業界には事故車の「オコシ」という仕事が存在します。「オコシ」は所謂業界用語で、漢字だとどう書くのか定かではないので、とりあえずカタカナにしました。「オコシ」とは事故によって大きな損傷を負い、経済的全損またはそれに近い状態になった車を再生することです。代表的なのは車両保険金額を上回り、全損になった車をそのままの状態でオコシの業者(業界ではオコシ屋と呼びます)が買取り、それを修理して中古車市場で再販するパターンです。

 普通、そうと判っていれば好んで修復歴車を買う人はいないので、修復歴の無い車に比べてずいぶんと格安で売り出されます。「オコシ」は、修復歴があることで販売価格がずいぶん下がることを承知の上で全損になった車を修復するわけですから、まともな方法で修理されるわけがありません。本来取替えなくてはならない部品でもてきとうに直して、後でどうなってもお構い無し、フレームや足回りがキチンと直っていなくてもパッと見わからなければOK、といった具合にコストをかけず、とにかく原価を下げて見た目を取り繕って修理して売りに出されるのです。こんな車を買ったら後でトラブル続出です。

修復歴の有る車は買わないほうが賢明

 キチンと丁寧に修理され、機能的にも車体の強度的にも全く問題の無い状態に修復された車でも、「オコシ」によってデタラメに修復された車でも、オークション査定で修復歴の有ることが判れば、どちらもただの修復歴有の車ということで、仕上がりの優劣に関係無く同列に評価されてしまうのが実情です。個人的には事故修理後の検査制度が確立され、修復のクオリティーによって評価されるようになれば良いのにと願っているのですが、今のところ修復歴車の評価方法が変わることは残念ながら無さそうです。

 充実した設備と高度な技術を有する板金塗装工場が修理すると、丁寧に修理した結果として、大きなダメージを受けた車でもオークション査定で修復歴が判らないほどに仕上がることがあるのです。こういう事実を知っているからこそ、堂々と修復歴有で売りに出されている車に対しては、どうも「オコシ」で再生された車ではないかと疑ってしまうわけです。いずれにせよ、「オコシ」という仕事が存在しているわけですので、修復歴が有りますよと言って売り出されている中古車はいくら安くても買わないほうが賢明だと思います。

ポルシェ カイエンS 自費での板金塗装 修理事例

141021cayennes-2東京都品川区にお住いのお客様よりポルシェカイエンSの板金塗装修理を依頼されましたのでご紹介いたします。
狭い道を走行中、右側にあった柵のような物と接触したようです。
自宅に戻り、カイエンSを確認したところ、サイドマーカーレンズが割れフロントフェンダーの一部が欠損し穴が開いていました。
フロントバンパーとフェンダーアーチモールにも傷が付いていました。車両保険ではなく、自費で修理したいとのことでお車をお預りいたしました。
自費修理とは言え、板金塗装の仕上がりも重視したいとのご要望です。

141021cayennes-3フロントフェンダーはアルミ製で欠損したパネルの破片も無い為、新品部品に交換することになりました。
まず、フロントバンパー・ヘッドライトを取り外し新品フェンダーの建付けの確認をいたします。

141021cayennes-4新品フェンダーの裏側は取付けてしまえば見えなくなってしまいますが、オリジナルと同様な塗装をいたします。

141021cayennes-5フロントバンパーは小さな傷なので、傷付いた部分をサンドペーパーで削りプライマーサフェーサーを塗装します。

141021cayennes-7今回のポルシェ カイエンSの板金塗装は自費修理の為、修理費用を抑える上でバンパーは部分塗装で修理しました。
バンパー一本を全部塗装するのと比べ、あくまで部分的な塗装なので、飛び石などの傷を細かい傷は補修できないのですが、仕上がりとしては何処をどう塗装したのか全く分からなくなります。

141021cayennes-6裏側の塗装が済んだフェンダーを車体に取付け、ボディ外板の塗装をいたします。
フロントドアには今回の事故による損傷はありませんでしたが、色の差異を無くす為のボカシ塗装を施しました。

141021cayennes-8サイドマーカーレンズとフェンダーアーチモールも新品部品に交換し、取外していた部品を組み付けて完成です。

141021cayennes-1修理代は税込み275,897円(工賃168,912円、部品106,985円)となりました。
このたびはインターパシフィックにポルシェカイエンSの板金塗装 修理をご依頼くださり、ありがとうございました。
元通り綺麗になったポルシェ カイエンSを大切にお乗りください。

レンジローバー イヴォーク 車両保険を使った板金塗装 修理事例

20140724evoque-2横浜市青葉区にお住いのお客様よりレンジローバー イヴォークの板金塗装 修理を依頼されましたのでご紹介します。
駐車場に入る時、低い壁があったことに気付かず、内輪差でイヴォークの左側面を擦ってしまいました。
フロントドア、リアドア、サイドステップのへこみが酷く修理費用も高額になることが予想されたので、車両保険を使って綺麗に修理して欲しいとのオーナー様のご要望でお車をお預かりしました。

20140724evoque-3ドアパネルは前後とも新品のパネルに取替えます。

20140724evoque-4アウターシルもへこみは酷かったのですが、骨格部位なのでむやみに取替えるわけにはいかないので、板金で対応しました。

20140724evoque-6フロントピラーにもわずかではありますがダメージがありましたので板金で修理しました。

20140724evoque-7新品ドアパネルの立付け調整が済むと、ドアパネルの裏側を塗装します。
先ずサフェーサーを塗装し、続けて調色したベースコートを塗装するのですが、パネルの表側も同時に塗装します。

そうすることで最終的な外板パネルの塗装の際、塗料の染まりが良くなるからです。下処理としての研ぎ作業を容易にするためにクリア塗料は肌を作らないように薄く塗装します。

20140724evoque-8アウターシルとフロントピラーを塗装します。内板のパネルとは言え、車を塗装ブースに入れて、ごみが塗面に付かないように慎重に塗装します。

20140724evoque-9今回のイヴォークの修理では前後ドアパネルを新品に取替えているので、隣接するパネルとの色の差異を完全に解消するためフロントフェンダー、リアフェンダーも塗装しました。ドアに近い部位は調色した黒のベースコートをしっかり吹付け、ドアパネルから遠ざかるにつれグラデーションのように徐々に色を薄めて塗装します。そしてトップコートのクリア塗料はしっかり全面に塗装します。こうすることでどの角度から見ても色の差異が生じることなく仕上げることができます。

20140724evoque-10裏側の塗装の際に一度表側も塗装したドアパネルですが、研ぎ作業で塗面を平滑にしてから仕上げの塗装を行います。

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20140724evoque-1保険会社との協定修理金額は税込996,667円(工賃562,464円、部品434,203円)となりました。

このたびはインターパシフィックにレンジローバー イヴォークの板金塗装 修理をご依頼いただき、誠にありがとうございました。

何事も無かったかのように元通り綺麗になったレンジローバー イヴォークを大切にお乗りください。

フェラーリ カリフォルニア バンパー修理 塗装事例

20140712ferrari-2東京都大田区にお住いのお客様より、フェラーリ カリフォルニアのフロントバンパーの修理、塗装を依頼されましたのでご紹介します。
車庫入れの際、シフトをバックに入れたつもりがドライブに入ったままだったので、誤ってフロントバンパーを壁にぶつけてしまいました。
画像を拡大すると判ると思いますが、直接壁にぶつかっていないフロントバンパー上面のフェラーリエンブレムの廻りに広範囲でヒビが入っています。

保険は使わず、自費修理で何とか綺麗に仕上げて欲しいとのオーナー様のご要望でフェラーリ カリフォルニアをお預かりしました。

20140712ferrari-3バンパーグリルも押されていて、爪が外れて浮いてしまっています。

20140712ferrari-4フェラーリ カリフォルニアのフロントバンパーは税抜で625,000円、金属製のバンパーグリルは321,000円、黒いロアスポイラーは173,000円と大変高価です。交換が必要になるとすごい出費になってしまいますので、それらの損傷状態を注意深く確認した結果、フロントバンパーライニングは取り外して修理すれば問題無く、グリルが取りつく爪も破損等ありませんでした。バンパーグリルとロアスポイラーも無事でした。

20140712ferrari-5バンパーは、ヒビが残らないように広めに傷を削り落とします。幸いバンパーの大きな変形や、裏側への傷の波及もありませんでした。
パテを使うことなく、削り込みと修正で対応できました。

20140712ferrari-6傷の修理が済むと、プライマーサフェーサーを塗装して削り込んだ部分をシールします。赤外線ヒーターでサフェーサーを充分に加熱し硬化させます。

20140712ferrari-7サフェーサーが充分に硬化したら、バンパー全体を平滑に研ぎ上げます。
研ぎ作業が済んだら溶剤(シリコンオフ)で入念に脱脂し、塗装に備えます。

20140712ferrari-8ごみやほこりがシャットアウトされた塗装ブースの中で、フェラーリの塗装に精通した熟練の塗装職人が慎重に作業を行い、フェラーリ独特の塗装の肌を忠実に再現します。

20140712ferrari-9塗装が終わるとブースを乾燥モードに切り替え、室内を70℃程度に昇温させて塗膜を焼き付けます。

20140712ferrari-10次にバンパー下部を艶消しの黒に塗装します。この艶の消し具合も加減が難しく、慣れない人が塗装すると安っぽく仕上がってしまうのです。

20140712ferrari-1修理完了です。フロントバンパーは何事も無かったかのように、すっかり元通りになりました。
修理費用は税込216,000円となりました。このたびはインターパシフィックにフェラーリ カリフォルニアのバンパー修理をご用命くださり、誠にありがとうございました。

自動車保険の「弁護士費用特約」付帯のすすめ

被害を受けても加害者が損害を賠償してくれるとは限りません。自動車保険に「弁護士費用等特約」を付けることをお勧めします

車の板金塗装のことで当社に来店されるお客様は、損傷の大小は別にして、車をぶつけてしまったか、ぶつけられてしまったかのどちらかの方々です。板金塗装工場を営む私は、日々様々な自動車事故と向き合っています。

どんな状況で起きた事故であっても車の事故はお客様にとって大変ショックな出来事であり、多くの場合、保険料の値上がりなども含め少なからずお金の出費が生じてしまいます。

自損事故や自分にも過失がある事故であれば、まだ気持ちの収めようもあるのですが、ご自身に全く非の無い事故なのに、相手がそれを認めない、または賠償に応じないといったケースでは、憤りの感情が伴うため気持ちの収集が付きにくくなってしまいます。相手にすべての落ち度があるのにそれを認めない、修理代を払わない、誠意が感じられない、なんと腹が立つことでしょう。

「訴えてやる!!」という気持ちになるのが当然です。でも弁護士に依頼するとなると、自分は悪くないのに何十万というお金がかかってしまう。どうやって解決すればいいのか解らない。私はこういう腹立たしい状況におかれたお客様を沢山見てきました。

こうした経験から、私はお客様から自動車保険についてアドバイスを求められると必ず、「弁護士費用等特約」を付帯しておくことをお勧めしています。この特約は保険の契約期間中でも日割りで付けることができます。保険料も月々140円程度と少額なのもおすすめする大きな理由です。

「弁護士費用等特約」

弁護士費用等特約は、保険会社が示談交渉を行うことができない、被保険者に過失が無い「もらい事故」の場合などに弁護士費用等や法律相談費用を補償してもらえる特約です。保険契約者のノンフリート等級には影響しませんので、この特約を使って弁護士費用などを補償してもらっても翌年のノンフリート等級は下がりません。

ほとんどの保険会社は被保険者1名につき300万円までの弁護士費用等、10万円までの法律相談費用を補償しています。

お客様に過失がないと保険会社は示談交渉ができない

保険会社は「相手の方の被害」に対しては、保険金を支払う当事者として示談交渉をすることができますが、お客様の被害に対しては当事者にはならないので、弁護士法上、示談交渉ができません。

つまり保険会社は、お客様自身にも多少は過失があるというケースでないと示談交渉ができないのです。したがって自分に非が無い事故の場合は、ご自身が加入している保険会社は示談交渉をしてくれませんので、自分で相手側と賠償について交渉しなくてはなりません。

相手側が誠実に対応してくれれば円満に解決するのですが、全く非を認めない、賠償してくれないなどの場合には交渉は困難になってしまいます。

「弁護士費用等特約」を使って解決した事例

当社に板金塗装修理をご依頼してくださったお客様の身の上に実際に起こった出来事で、幸い、自動車保険に「弁護士費用等特約」を付けていたおかげで事件が解決できた事例を3例ご紹介します。

(1)片側2車線道路の左車線を走行していたお客様が道路工事による路面の段差に気付き、車の速度を緩めたところ、後方のバイクに追突された。

明らかにお客様に非の無い被害事故であるが、バイクの運転手は自分の契約している保険会社に、「右車線を走行していたところ、前方の乗用車が進路妨害してきたので、避けきれずぶつかった」と虚偽の報告をした。

そのためバイク側の保険会社は乗用車を運転していたお客様の過失を主張し、修理方針についても勝手な言い分を通そうとしてきたので、弁護士費用等特約を使って弁護士に交渉を委任した。訴訟となったが、最終的に納得のいく和解となった。

(2)青信号で交差点を横断中、信号無視の車に左後方を追突され、車のフレームにダメージがでるほどの大きな被害を受けた。お客様も同乗していた奥様も首を痛め、むちうち症となってしまった。

相手側の保険会社は、全過失を認め車の修理代の全額は支払ったが、人身事故の示談では折り合いが付かず、また事故歴車となってしまった車の評価損、いわゆる「格落ち」分の支払いを拒否したので、お客様が加入している自動車保険の弁護士費用等特約を使って弁護士に交渉を委任し、最終的に円満に解決した。

(3)時間貸し駐車場を利用したところ、敷地内の路面の傾斜のせいで、お客様の車のバンパーの底が削れて傷付いてしまった。

施設の整備に問題があったとして車の修理代を請求したが、駐車場の経営者からは支払いを拒絶され、また攻撃的な態度をとられたため、お客様が加入している弁護士費用特約を使って弁護士に交渉を委任した。
訴訟となったが最終的に和解となった。

これらの事例はお客様にとってはとても腹立たしい出来事でしたが、ご自分の加入する自動車保険に弁護士費用等特約がついていたおかげで、金銭的な負担無く弁護士に交渉を委任し、納得のいく解決を図ることができました。

被害を受けても加害者が損害を賠償してくれるとは限りません。月々わずか140円程度であれば自動車保険に「弁護士費用等特約」を付帯させておくことをお勧めします。

雹(ひょう)で車のボディーがへこみ、修理が必要な時に大切な事

雹の被害に遭った車の修理の実情や最適な修理方法、さらには最適な修理業者の選び方についての少し突っ込んだ記事です

2017年7月18日午後、豊島区、板橋区、北区など東京都内に大量の雹(ひょう)が降りました。被害に遭われた方にお見舞い申し上げます。インターパシフィックにも翌日以降、雹の被害に遭ったお客様からお車の修理に関するお問い合せが多数あり、修理の依頼をお受けしました。

2014年6月24日に東京都三鷹市、調布市周辺で大量の雹(ひょう)が降り、その数日後に私がホームページに投稿した雹(ひょう)で車のボディーがへこみ、修理が必要な皆様へという記事をご覧になったお客様からのご依頼がほとんどでした。この記事では、車の修理(鈑金塗装)に従事するプロの一人として、雹によって車がへこんでしまいお困りのカーオーナーさんが、愛車の修理で失敗しないための方法について書かせていただきました。その要点は、以下の4点でした。

1. 雹(ひょう)による車のボディーのへこみは一目でわかるものばかりではなく、直径1cmほどの小さなえくぼのようなへこみもあるので、車を洗車等してきれいな状態にして、いろんな角度から注視する。そして一 つでも凹みを見つけたら鈑金塗装工場などに相談する。

2. 車両保険に加入しているかをまず確認する。自損事故が保障される一般車両保険でも自損事故が保障されないエコノミー車両保険でも保障される。雹(ひょう)による被害の場合では、自損事故や対物事故などで車両保険を使うのとは違って翌年度のノンフリート等級は1等級ダウンで済むので、いずれかの車両保険に加入していれば迷わず保険で修理する。

3. 雹害による車の修理は、ほとんどの場合大掛かりで高額な修理になる。またルーフパネル(屋根)を交換すると、事故歴車となり下取り査定に大きく影響するので、むやみに取換えてはいけない。凹みの修理も一つずつ丁寧に行われなくてはいけない。

4. 雹(ひょう)による車のへこみの修理は高い技術と丁寧な作業が要求されるので、修理方針をじっくり丁寧に説明し、車の再販価値まで考えて最良の修理方法を提案してくれる工場を探す。

しかし今改めて自分が投稿した記事を読み返すと当たり障りのない内容だなと感じ、今回は雹の被害に遭った車の修理の実情や最適な修理方法、さらには最適な修理業者の選び方について等もう少し突っ込んだ記事を作ってみましたのでお読みください。

雹(ひょう)被害に遭った車の修理方法

雹による車のボディのへこみは、小さいものでは直径1cmほどのえくぼのようなものから直径5cmほどの大きなへこみまで様々です。大きな雹が降れば、それ以上に大きなへこみだってできるかもしれません。ルーフパネル(屋根)ボンネット、トランクといった空に対して水平な面を中心にフェンダーやドアなど広範囲にへこみます。

ベンツのボンネット 赤枠内が雹による凹み。これは写真に映るほんの一部の比較的大きな凹みです。実際にはボンネットだけで数十個の凹みがありました。

大きな雹が当たると、車のフロントガラスも割れてしまいます。

修理方法は、鈑金塗装とデントリペアの2通りです。鈑金塗装は、凹みを鈑金で元通りにしてから修理したパネルを塗装して直します。デントリペアはパネルの裏側に専用ツールを差し込み凹みをパネルの裏側から押し出して修理します。塗装面ではなく裏側から押し出すので塗装しないで直します。

仕上がりの差としては、車を塗装するか否かの違いです。塗装しないで直せればその分車に優しい修理方法と言えますので、デントリペアは素晴らしい技術だと思います。鈑金塗装に比べ修理金額が安く、修理期間が短いのも特長です。

ただデントリペアでは対応できる凹みに限界がありますので、そのパネルに一つでも対応できない凹みがあれば、その凹みは鈑金で修理しなくてはなりませんので結局塗装しなくてはならなくなります。そのため塗装作業をしないデントリペア業者の中には、本当は鈑金塗装で対応しなくてはならない凹みでも無理して作業して、歪みを残してしまうこともあるようです。

はっきり言えば、鈑金塗装業者は大きさにかかわらず凹みを鈑金し、塗装して直そうとしますし、デントリペア業者はどうにかしてパネルの裏側から凹みを押し出し、塗装はせずに直そうとするのが実のところです。ですから不幸にして愛車が雹の被害に遭った時には鈑金塗装業者、デントリペア業者双方に車の状態を見てもらい意見を聴き比べてみると良いでしょう。

修理期間がある程度長引くことは覚悟する

雹(ひょう)による車へのダメージは大きく、損傷が広範囲に及ぶため修理が大掛かりになり、一度に沢山の車が被害に遭うわけですから修理業界はパニック状態になります。

鈑金塗装業者は一般に工場を構えているので、修理車両を自社の工場に引き取って作業するのですが、出張作業も可能なデントリペア業者は、他府県から多くの業者が仕事を求めて出稼ぎに上京してくるほどです。

大忙しになって沢山の修理車両を預かれば、誰しも急いで作業し早く修理を終わらせようとします。しかし、鈑金塗装であれデントリペアであれ「職人仕事」というのは、急ぐとろくなことがおきません。急いだ結果仕事は雑になりそれが仕上がりに現れます。

鈑金塗装であれば、凹みを一つ一つ丁寧に鈑金しないで安易にパテを厚盛りして仕上げ、後になってパテ痩せしてしまうかもしれません。時間をかければ綺麗に鈑金できるのに急いでいるからとルーフパネル(屋根)を取り換えられ、そのため事故歴車にされてしまうかもしれません。塗装の仕上がりが悪く修理したことが素人目にも分かるような酷い仕上がりにされてしまうかもしれません。

デントリペアであれば、(塗装はできないので)ちゃんと凹みが直せていなくて、よく見ると所々歪みが残ってしまうかもしれません。素人目には分からず下取りや買取で売る段になって業者から指摘され、雹害車ということで大幅な査定減額になるかもしれません。
こういうことは顕在化していない分も含めるとけっこうな確率でおきていると思います。

技術の低い業者では、急がせようが急がせまいが酷い仕上がりになってしまうわけですが、ちゃんとした業者であっても急がせて仕上がりが良くなることは少なくともありませんので、被害に遭われたカーオーナーさんはこの点を理解し、時間は急がせないからとにかく丁寧に作業して仕上がり重視でお願いします、という依頼の仕方がよろしいかと思います。

最適な車の修理方法

私は、最適な車の修理方法は、「無駄に作業範囲を拡大せず車にできるだけ優しい修理」だと考えています。その意味で言えば、デントリペアで済めばそれに越したことはありません。

ただ、デントリペアは非常に高い技術です。パテを使わず塗装もせず、車のボディーの広範囲にできた大量の大小の凹みを、一切の歪みを残さず直せる業者は居たとしてもごく僅かです。

デントリペア業者は塗装はできません。ですからパネルの裏側から専用工具を使って凹みを押し出す手段しか方法がありません。鈑金塗装業者は、歪みが残ってしまうような凹みの場合にはパテを使って平滑にし、塗装して仕上げることができます。

私が最適と思う雹の被害に遭った車の修理方法は、「鈑金しただけでは歪みを取り切れない凹みに薄くパテを使う以外はパテを使わずに凹みを修理し、何事も無かったかのように塗装して仕上げる」ということです。
端的に言えば鈑金塗装とデントリペアの良いとこどりの修理です。

画像はフォルクスワーゲントゥーランのルーフパネルの凹みの修理中の様子です。

パネルの裏側から専用工具で凹みを押し出しています。いわゆるデントリペアです。


手間のかかる作業ですが、パテを使わずに鈑金しました。


ルーフサイドは鉄板が硬く、袋状になっていて裏側に工具を入れられないので、表側から凹みを引き出す鈑金をし、わずかに残る歪みをパテを使って取り除きます。


そのように丁寧に鈑金をしてから、塗装ブースの中で熟練の塗装職人が慎重に塗装作業を行います。これが「鈑金塗装とデントリペアの良いとこどりの修理」です。

上手な修理業者の選び方

鈑金塗装業者である私としては本当はなかなか口にし難いことなのですが、この際率直に言わせていただきます。雹害のような自然災害では前述したように業界は大忙しで非常に混乱します。自動車ディーラーには雹の被害に遭った車の修理依頼が殺到します。

ディーラーの多くはこれらを自社で修理するわけではなく、鈑金塗装であれデントリペアであれ下請けの業者に外注します。依頼された業者は納期を急かされるでしょうし、カーオーナーさんと直接修理方法などを打ち合わせる機会もありません。また部品を支給された上、工賃を40~50%割引されるので割に合いません。そのため仕事を丸投げして大きな利益を得るディーラーと、工賃を半分カットされて割に合わないからなるべく時間をかけずに直そうとする業者の双方にとって都合のいいやり方で修理されてしまいます。

「カーメーカーの看板を背負ったディーラーだから任せて安心!」は大きな錯覚です。

自動車ディーラーの営業やサービスの担当者には鈑金塗装やデントリペアの技術も知識もありません。したがってどういう直し方をするのが最適な修理方法かの判断はできません。ディーラーはただ修理を受付け下請けに丸投げするだけです。車両保険を使った修理であれば、お客様が修理金額を気にする必要がないからということで不必要に大掛かりな修理(修理できるのにルーフパネルを取替えられ事故歴車のなってしまう等)をされてしまうかもしれません。

ご自分の愛車をキチンと正しく修理したいのであれば、ディーラーなどの中間業者を挟まず、ご自身で直接業者を探し納得がいくまで説明を求めてください。そして修理方針をじっくり丁寧に説明し、車の再販価値まで考えて「無駄に作業範囲を拡大せず車にできるだけ優しい修理」を提案してくれる工場を探してください。

インターパシフィックは、「無駄に作業範囲を拡大せず車にできるだけ優しい修理」をモットーに修理を依頼されたお車を一台一台誠心誠意お直し致しますし、遠方のお客様の場合には、近くに私が信頼できる同業者が居ればご紹介させていただきます。お困りの際にはお気軽にご相談ください。

雹(ひょう)で車のボディーがへこみ、修理が必要な皆様へ

雹(ひょう)による車のへこみの修理は高い技術と丁寧な作業が要求されます。愛車の修理で失敗しないためのアドバイスです

関東地方で梅雨時の大雨が猛威を振るっておりますが、被害に遭われた方にお見舞い申し上げます。

ところによっては大粒の雹(ひょう)が降り、様々な被害が出ている様です。6月24日には東京都三鷹市、調布市周辺で大量の雹(ひょう)が降り、雪が積もったようにあたり一面が真っ白になったところもあったようです。雹(ひょう)が降ること自体はそれほど珍しいことではありませんが、積もるほどの雹(ひょう)というのには驚きました。

車の板金塗装の仕事をしていると、雹(ひょう)で車のルーフ(屋根)やボンネット、トランクなどに無数のエクボのようなへこみができてしまった車が時々入庫してきます。酷いケースでは、ゴルフボールより大きな雹(ひょう)が落下して、車のボディーがボコボコにへこんでしまい、ボンネット、ルーフ、トランクを新品パネルに取り換えなくてはならないこともあります。また逆に、よく見れば無数にへこみがあるのに、へこみが小さくて損害を見落としている場合もあります。いずれにしても車のボディーの広範囲にヘコミが生じますので、大がかりな板金塗装、修理となってしまいます。車の凹みを全部板金したら全塗装に近い塗装作業が必要になることさえあります。

板金塗装の仕事に従事するプロの一人として、雹(ひょう)で車にへこみができてしまってお困りのカーオーナーさんが、愛車の修理で失敗しないようにアドバイスさせていただきたいと思います。

まず車にへこみがないかよく確認してください

雹(ひょう)よる車のボディーのへこみは一目でわかるものばかりとは限りません。雹(ひょう)が車に降りかかった可能性がある方は、車を洗車して、明るい場所で車のボディーを様々な角度からよく見てください。

車のボンネット、ルーフパネル、トランクなど空に対して水平に近いボディー面を真上からでなく、透かすような目線で注視してください。小さい物では直径1cmほどのえくぼのようなへこみが見つかるかもしれません。

また、バンパーは樹脂製で弾力性があるため、小さな雹(ひょう)では傷つきにくいのですが、フェンダーやドアパネルの上部にはへこみは付きますので、正面からではなく様々な角度から、フェンダーやドアを透かすような目線でよく見て下さい。一つでも凹みを見つけたら、板金塗装工場に相談してください。プロが見ればもっと沢山のへこみを見つけてくれるでしょう。

車両保険に入っていますか?

契約している自動車保険証券を確認してみてください。車両保険に加入していれば、車の板金塗装費用は保険で補償されます。

車両保険には一般補償と限定補償の2つの契約方式がありますが、今回の雹(ひょう)による被害の場合ではいずれの契約でも補償されます。限定補償とはエコノミー車両保険と呼ばれるものです。

雹(ひょう)によるへこみのような自然災害による被害の場合では、自損事故や対物事故などで車両保険を使うのとは違って翌年度のノンフリート等級は1等級ダウンで済みます。

車両保険に加入しているカーオーナーさんは迷わず保険で修理することをお勧めします。

雹(ひょう)によるへこみの場合の修理方針

雹(ひょう)が降ったことによって車のボディーがへこんでしまった場合には、損傷範囲は広範囲になることがほとんどです。雹(ひょう)が当たったパネルはほとんどへこみます。大がかりな板金塗装作業になります。

雹(ひょう)による被害を受けた車の板金塗装の場合、必ずルーフパネル(屋根)にダメージを受けていますが、ルーフパネルはボンネットやトランクのようにボルトで取り付いているのではないので、交換となると屋根を切断して溶接という大変な作業となります。

自動車のルーフパネルを交換すると、その車は事故歴車(修復歴車とも言います)となってしまい、将来の買い替え時や買い取り時の査定に大きく影響します。ですからダメージが酷く、パネルを取替える以外に手が無いという場合を除き、むやみにルーフパネルは取替えるべきではありません。

また、へこみは一つずつ丁寧に板金してできる限り元通りの鉄板の状態に戻し、パテは極力控えめに使うという作業がなされなくてはなりません。そうでないと後になってあちこちにパテ痩せの痕が出てしまいます。

見積もりを取る場合のチェックポイント

このように車の雹(ひょう)によるへこみの修理は高い技術と丁寧な作業が要求されます。間違いのない工場選びの方法としては、事前に修理方針などの詳しい説明を求め、それに対して答えをあやふやにせず、お客様が充分に納得するまで時間をかけて誠実に回答してくれるかどうかです。逆に、安易にパネル交換と言い出すディーラーや修理工場には要注意です。

修理方針をじっくり丁寧に説明し、車の再販価値まで考えて最良の修理方法を提案してくれる工場を探してください。

弊社インターパシフィックでも雹(ひょう)によるくぼみの板金塗装は得意とするところです。ご質問等ございましたらお気軽にご相談ください。

修理方法や業者選択を誤らないために是非こちらの記事もご覧ください。

フィアット パンダ 板金塗装 修理事例

20140603fiat-2フィアット パンダのロッカーパネル板金塗装 修理事例をご紹介します。

狭い道に入ってしまい、うっかり縁石に乗り上げ、左側のロッカーパネルをへこませてしまいました。

保険は使わず自費できれいに直して欲しいとのご要望でお車をお預かりしました。

ロッカーパネルはドアやボンネットなどのようにボルトで固定されているパネルではなく車の骨格の一部ですので、丁寧に板金作業を行い、修理の痕跡が残らないような配慮が必要です。

20140603fiat-3ロッカーパネルはとても硬い部分なのですが、引出し板金で極力元の鉄板の面に仕上げていきます。

20140603fiat-4面出しが済むと、パテを付け充分硬化させてから、研いでわずかな凹凸や歪を取り除きます。

20140603fiat-5板金した部位をシールするため、ロッカーパネルにプライマーサフェーサーを塗装します。

赤外線ヒーターを使って塗膜を加熱乾燥させ、硬化したら平滑に研いで仕上げます。

20140603fiat-6フィアット パンダのロッカーパネルは元々表面がぶつぶつしているのですが、これはチッピングコートが塗布されているからです。
オリジナル同様な肌の感じにチッピングコートを吹付けます。

20140603fiat-7車を塗装ブースに移動させ、ロッカーパネルの内側部分を先に塗装します。

20140603fiat-8ゴミやほこりが付着しないように細心の注意を払い、輸入車の塗装に熟練した塗装職人がフィアット パンダのロッカーパネルをオリジナルな肌に再現させます。

20140603fiat-9何事も無かったかのようにフィアット パンダのロッカーパネルは元通りになりました。

20140603fiat-1修理代は税込123,120円となりました。
このたびはインターパシフィックにフィアット パンダの板金塗装修理をご依頼くださり、誠にありがとうございました。

プジョー 508SW 板金塗装 保険修理事例

20140525508sw-2横浜市にお住いのお客様よりプジョー 508SWの板金塗装を依頼されましたので、ご紹介致します。ショッピングセンターに買い物に出かけた際、駐車場の柱にプジョー508SWの左リアドアとリアフェンダーをこすって、へこませてしまいました。

20140525508sw-3パネルのダメージも酷く、修理費用も高くなりそうなので、車両保険を使ってきれいに直したいとのご要望でお車をお預かりしました。

保険会社のアジャスターとの打ち合わせで、ドアパネルは新品部品に取替え、リアフェンダーは鈑金で対応させていただくことになりました。

20140525508sw-4新品のリアドアパネルを車に取り付け、立て付けを確認しながらリアフェンダーを板金します。アーチラインの復元含め、慎重に鉄板を元通りの面に戻します。

塗装のマスキングの妨げとなるリアバンパー、テールランプ、さらにはサイドウインドウガラスを取り外します。

また、今回のプジョー 508SWのボディーカラーは3コートのホワイトパールで、色の再現が困難な色です。そのため新品に取り換えるリアドアと隣接するフロントドアとの色の差異を解消するためにフロントドアにぼかし塗装を施す必要があります。フロントドアも塗装に備えモールやドアハンドル、ドアミラーなどの外装部品をとりはずしました。ぼかし塗装については後述します。

20140525508sw-5アフェンダーの板金による面出しが終わると、パテを付け、充分に硬化させてから研ぎ作業を行います。わずかに残る鉄板の凹凸やひずみを取り除き、平滑に仕上げるためです。

パテはパテ痩せしにくいものを厳選して使用しています。

20140525508sw-6パテをシールして上塗り塗装を綺麗に仕上げるためにプライマーサフェーサーを塗装します。

赤外線ヒーターでしっかり加熱乾燥を行い、充分に硬化させます。

サフェーサーは硬化させてから、きれいに研いで仕上げます。

20140525508sw-8リアドアはパネルの裏側を塗装し、再度車に取り付けます。

20140525508sw-9車を塗装ブースに移動し、マスキングと脱脂を行ってから上塗り作業を行います。

塗装作業はごみやほこりをシャットアウトした塗装ブース内で行います。

そして輸入車の塗装に熟練した職人がプジョー 508SWの本来の塗装肌を忠実に再現させます。

20140525508sw-10先述した「ぼかし塗装」についてご説明します。

今回のプジョー508Swの塗装色は3コートのホワイトパールです。最初に白を塗装し、次にパールを塗装し、最後にクリア塗装を行います。

新品パーツに取り換えたリアドア、リアフェンダーの板金した部分は白とパールをしっかり塗り込みます。車を養生している紙にも色が付着しているのでお分かり頂けると思います。

フロントドアはパネル一面に色を塗ってしまうとフロントフェンダーとの色の差異が生じてしまいますので、フロントドアの後ろから前にかけて、グラデーションをかけて塗装するのです。赤枠内のフロントフェンダーとの境界部分では色はかかっていません。そしてトップコートのクリア塗料は3パネル全面にしっかり塗装します。こうすることで、リアドアともフロントフェンダーとも色の差異が出ないで仕上げることができます。

20140525508sw-12磨き作業、外装部品の組み付け作業が終わると完成です。何事も無かったかのように綺麗に仕上げることができました。

20140525508sw-1保険会社との修理協定金額は税込684,720円(工賃480,168円、部品204,552円)となりました。

このたびは横浜市よりご来店くださり、プジョー 508SWの板金塗装 修理をご依頼頂き、誠にありがとうございました。

元通りになったプジョー 508SW、大切にお乗りください。

 

大雪でカーポートや車庫の屋根がつぶれ、車の板金塗装が必要な皆様へ

車のルーフの修理は高い技術が要求されます。修理が長引いても愛車が丁寧に仕上がって戻ってくることを第一に考えましょう

関東甲信の記録的な大雪の被害に遭われた方にお見舞い申し上げます。

大雪により自宅のカーポートがつぶれたり、車庫の屋根が崩れ落ちたりしたことで、愛車が下敷きになって車の屋根などが押しつぶされたり、また、カーポートや屋根が無い場合でも隣の家の屋根に積もった雪の塊が落ちてきて車に損傷を負った事故が多数発生しております。

カーポートの崩壊による車の損害は、程度によっては深刻なものになります。雪の重みに風が加わってカーポートや車庫の屋根が倒壊し、車がその下敷きになってしまうわけですから、少なからず車のルーフパネルに損傷を受けてしまいます。

車両保険に入っていれば、車に関してだけ言えば、経済的ダメージは少ないかもしれませんが、自費での修理となると高額な修理になる場合が少なくありません。

ダメージを受けた車の外装を元通りに直すのが我々板金塗装工場ですが、埼玉、群馬、栃木、山梨などの積雪が多かった地域では、板金塗装工場に大雪被害の車の修理依頼が殺到し、工場の受け入れがパンク状態になっています。

修理期間未定、最低3か月待ち、乗っていることができる軽度なダメージの車は後回しなど想像を絶する混乱ぶりのようです。

ルーフパネルの交換は難易度の高い修理で、板金塗装職人の高い技術力と丁寧な作業が求められます。板金塗装の仕事に従事するプロの一人として、2月の大雪の被害でお困りのカーオーナーさんが、愛車の修理で失敗しないようにアドバイスさせていただきたいと思います。

■車のルーフ(屋根)の修理は高い技術が要求される

雪害によってカーポートや車庫の屋根が崩れて、下に駐車していた車がダメージを受ける場合、ほとんどの車はルーフパネル(屋根)にへこみなどの損傷を負うでしょう。しかも多くの場合、板金では対応できずルーフパネル交換を余儀なくされます。

ルーフパネルはボンネットやトランクのようにボルトで取り付いているのではないので、交換となると屋根を切断して溶接という大がかりな作業となります。作業者または修理工場の技術レベルによって仕上がりに大きな差が生まれます。しかもやっかいなことに仕上がりの良し悪しが判りにくいのです。

自動車のルーフパネルを交換すると、その車は事故歴車(修復歴車とも言います)となってしまい、将来の買い替え時や買い取り時に査定に大きく響きます。車の査定のプロであれば、カーオーナーさんには判らなくても、ルーフパネルを交換したこと、そしてその仕上がりが良いのか悪いのかをいとも簡単に見抜いてしまいます。

また、査定云々以前に雨漏れや異音といった不具合が生じたら最悪です。とにかく、あせらずじっくりと信頼のおける板金塗装工場を探してください。

■板金塗装工場が忙し過ぎたり、修理納期を急かすと仕上がりは悪くなる

大雪の被害で板金塗装修理が必要な車が大量に発生したことにより、そのエリアの板金塗装工場はどこもパンク状態になっています。特に積雪が多かった地域では納期未定、入庫3か月待ちとさえ言われており、修理する側は忙しいのを通り過ぎてパニック状態でしょうし、車の修理を依頼するカーオーナーさんは一日でも早く自分の車を直してもらいたいとあせってしまいます。

こんな状況ではルーフパネルの交換のように難易度の高い修理は、板金工場にとって大きな負担となります。板金塗装工場が忙し過ぎれば職人さんに大きな負担がかかります。

板金塗装は職人さんの腕に左右される仕事です。毎日残業が続き疲労が溜まれば手を抜くつもりなど毛頭なくても、通常の技術を発揮できない恐れもありますし、急げや急げの毎日ではいくら腕の良い板金塗装職人でも本来の実力が発揮できません。

車の損害が大きければ大きいほど、車の修理を依頼するカーオーナーさんは愛車が丁寧に仕上がって戻ってくることを第一に考え、辛抱して待つことをお勧めします。

■車両保険に入っていますか?

契約している自動車保険証券を確認してみてください。車両保険に加入していれば、車の板金塗装費用は保険で補償されます。車両保険には一般補償と限定補償(エコノミー)の2つの契約方式がありますが、今回の雪による被害の場合ではいずれの契約でも補償されます。

大雪など自然災害による被害の場合では、自損事故や対物事故などで車両保険を使うのとは違って翌年度のノンフリート等級は1等級ダウンで済みます。車両保険に加入しているカーオーナーさんは迷わず保険で修理することをお勧めします。

■少し離れた板金塗装工場を選ぶ

積雪が多かった地域では自動車ディーラーも板金塗装工場もパンクしています。納期未定、入庫3か月待ちなどと言う状況であれば、遠くても他県の板金塗装工場に修理を依頼するという選択肢もあります。

大手の自動車車輸送会社に依頼すれば比較的安い出費で車を運ぶことができます。また、車両保険であれば車の輸送費が保険でカバーされることもあります。

遠くの板金塗装工場に修理を依頼するのは面倒だと思いますが、損害が大きい、丁寧に直して欲しいというカーオーナーさんは真剣に考えてみてください。

弊社でもすでに数件のご相談をお受けしております。保険や輸送、納期に関するご質問がありましたら、お気軽にご連絡ください。お待ちしております。

アウディ Q5 板金塗装 修理事例

20140428q5-2アウディ Q5のフロントバンパーと左フロントフェンダーの自費での板金塗装 修理事例をご紹介します。
うっかり狭い道に入ってしまい、標識のポールにアウディQ5の左前をこすって傷つけてしまいました。

自費での板金塗装 修理となるので、なるべく費用を抑えつつ、それでも安かろう悪かろうではなく、綺麗に仕上げてほしいとのご要望でお車をお預かりしました。

20140428q5-3フロントフェンダーを板金します。ホイールハウスのアーチ部のラインも丁寧に復元させます。

20140428q5-4板金で元の鉄板の状態に限りなく近づけた後、パテを付けてしっかり硬化させてから研ぎ上げ、わずかな歪を取り除き平滑にします。

20140428q5-5バンパーは取り外してから分解し、傷をサンダーで削り落とします。

20140428q5-6板金したフェンダーにサフェーサープライマーを塗装し、しっかりシールします。

充分に加熱乾燥した後、目視では確認できないレベルの歪を取り除きます。

20140428q5-7バンパーも削り込んだ部位にサフェーサーを塗装し、しっかりシールします。

20140428q5-8板金作業と下処理を終えると、アウディQ5を塗装ブースに移動させます。塗装するフェンダー以外のボディーをマスキングし、輸入車の塗装に精通した熟練の塗装職人が、アウディ Q5のオリジナルな塗装の肌を再現させます。

20140428q5-9自費修理のため、仕上がりの質を損ねることなく修理費用を抑える最大のポイントは、バンパーの部分塗装です。

画像の赤枠の部分でトップコートのクリア塗料を薄めてぼかし塗装をしたり、マスキングテープに細工を施し痕を残さずに塗装したりと職人技をい駆使します。

仕上がれば、目を凝らして見てもそれらの痕跡は一切残りません!

バンパーを一本塗装しないので、その分費用を抑えることができます。

20140428q5-10アウディQ5はご覧の通り何事も無かったかのように仕上がりました。

20140428q5-1修理費用は税込107,520円となりました。

このたびは東京都小平市よりお越しくださり、インターパシフィックにアウディ Q5の板金塗装 修理をご依頼頂き、ありがとうございました。

すっかり元通りに直ったアウディ Q5、これからも大切にお乗りください。

 

ポルシェ カイエン GTS コーティング施工

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新車で納車されたばかりのポルシェ カイエン GTSのコーティング施工事例です。

インターパシフィックのホームページをご覧になり、焼付コーティングと輸入車が得意な板金塗装工場であるいうところに魅力を感じて頂き、コーティングの施工を依頼されました。

施工手順といたしましては、先ずボディーをきれいに水洗いし室内の清掃を行います。

新車の塗面を保護するプロテクションシールの糊が残っていれば、溶剤を用いて除去します。

ポリッシャーの回転で傷つける恐れのあるエンブレムやゴムのモールディングなどをマスキングテープで保護してから、磨き作業を開始します。

新車とはいえ塗面には浅い傷が無数にありますので、バフ、コンパウンドを数種類使い分け、ボディーをしっかり磨き込みます。

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カイエンの塗面を磨きあげたら、コーティング剤をボディー全体にムラなく塗り込みます。

今回は防汚、水切れ性に優れた排水型のガラスコーティング剤を使用しました。

施工後のメンテナンスもお客様ご自身で楽に行えることもあり、ご好評頂いているガラスコーティングです。

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コーティング剤を塗った塗装の表面が白濁した状態になるまで時間を置いて乾燥させます。この状態になると余剰成分は揮発して表面に浮かび上がり、被膜はボディーにしっかり定着しています。

その状態を見極めてから、塗膜に傷を付けない専用のクロスで拭き上げます。

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コーティングの拭き取りが終わると、車の塗装作業で使用する塗装・乾燥ブースにポルシェカイエンを入れて加熱乾燥を行います。

ブース内温度を60℃にキープし、1時間の強制乾燥を行います。冬の時期などはタイマーを長めに設定します。

インターパシフィックではコーティング後に60℃×1時間の加熱乾燥を行い、耐久性の高い被膜を完成させ、それを焼付コーティングと呼んでいます。

ガラス系のコーティングはどんな液剤でも最後に加熱乾燥させるか否かで性能に差が出ると確信しています。

車を一台丸ごと格納できる塗装乾燥設備を保有する板金塗装工場だからこそ実現できる贅沢なガラスコーティングです。

オーナー様、このたびはインターパシフィックにポルシェ カイエン GTSのコーティングをご用命くださり、誠にありがとうございました。

恰好よくて個人的にも大好きなポルシェ カイエン GTS、大切にお乗りください。

 

 

シトロエン C4 ピカソ 板金塗装 修理事例

20140215c4-2横浜市港北区にお住いのお客様よりシトロエン C4 ピカソの板金塗装 修理を依頼されましたので、ご紹介します。

交差点を左折しようとして前方の右折待ちのバイクを避けようと車を左に寄せた際、縁石に左リアドアとリアフェンダーを擦ってしまったそうです。

リアドアとリアフェンダーのダメージはかなり酷く修理費用も高くなりそうなので、車両保険を使ってきっちり修理したいとのご要望でシトロエン C4 ピカソをお預かりしました。

20140215c4-3リアドアはへこみや変形が酷いので、新品パネルに交換しました。

20140215c4-4リアフェンダーもへこみや変形が酷く角の部分もつぶれてしまっているので、先ずは新品のドアパネルを正しい位置に取り付け、それを基準にリアフェンダーの板金作業を行います。

20140215c4-5ドアパネルは車体にボルトで取り付いているパネルなので、今回取替という判断をしましたが、リアフェンダー(クォーターパネル)は車体に溶接されているパネルですので、板金での修理が可能であれば、めったやたらにパネルを取替えるべきではありません。

20140215c4-6縁石に擦った衝撃でリアのホイールハウスまで歪んでいました。

今回はホイールハウスを切開してリアフェンダーの裏側からパネルを叩き出して板金する方法で修復しました。

パネルの表側から引き出す板金方法より精度の高い復元ができるとの判断です。

20140215c4-10板金が仕上がるとご覧の通りです。あれほどへこんで変形していたリアフェンダーはすっかり元通りです。

20140215c4-8切開したホイールハウスは歪みを修復して溶接します。

20140215c4-9溶接痕をサンダーで削り落としきれいに処理した後、パテで仕上げます。

20140215c4-11リアフェンダーも板金しただけでは鉄板のわずかな凹凸やひずみを取りきることはできないので、パテを付け充分に硬化させてから平滑に研いで仕上げます。ホイールアーチのラインの復元にも注意を払って仕上げます。

20140215c4-12パテ研ぎが済むと、サフェーサーを塗装してシールします。

 

 

 

20140215c4-15サフェーサーは赤外線ヒーターを使って加熱硬化させ、耐水ペーパーを使って研いで仕上げます。

20140215c4-16ホイールハウスにシーラーを塗ります。

20140215c4-14ロッカーパネルにチッピングコートを塗布します。

ダメージの無い右側のロッカーパネルと同じ凹凸肌を再現させなくてはなりません。

20140215c4-13塗装作業に入ります。パネル外板の塗装の前に内板パネルの塗装を行います。

20140215c4-17

20140215c4-19シトロエンだけでなくどんな車種であれ、元々パネルの内側はあまりしっかりと塗装されていません。

そのためドアパネルの裏側を塗装する際には、オリジナルっぽく塗料を吹き付けます。

下塗りの電着塗装の色も再現させるので、トリムが付けば見えなくなるところではありますが、2~3色の塗料を調合して塗装します。

20140215c4-20内側や裏側の塗装が終わると外板パネルの塗装を行います。

ごみやほこりをシャットアウトした塗装ブースに車を入れて、シトロエン本来の塗装肌を忠実に再現させます。

塗装が終わるとブースを乾燥モードに切り替え、60℃×1時間の加熱乾燥を行います。

20140215c4-21モールなどの小物類も丁寧に塗装します。

20140215c4-22

20140215c4-23部品を組み付け、洗車、室内清掃、仕上げ磨きを行って作業完了です。

シトロエン C4ピカソは何事も無かったかのように元通りに直りました。

20140215c4-1保険会社との修理協定金額は税込646,842円(部品148,680円、工賃498,162円)となりました。

このたびはインターパシフィックに大切なお車の板金塗装 修理をご依頼くださり、ありがとうございました。

綺麗になったシトロエン C4 ピカソ、これからも大切にお乗りください。

等級据え置き事故の廃止

車両盗難、飛び石、落書き、落下中の他物との衝突、火災、爆発、台風などの被害の場合は、翌年1等級ダウンします

自動車保険ノンフリート等級の割引・割増制度が改定されました

自動車保険ノンフリート等級の割引・割増制度が2012年10月に改定されました。自動車保険のノンフリート等級は1等級から20等級に割引増率が区分されており、保険契約者が一年間保険を使わなければ翌年の契約は1等級上がり、事故によって保険を使うと、翌年の契約は3等級下がる仕組みになっています。

改定前は、事故で保険を使った契約者でも事故が無く保険を使わなかった契約者でも、同じ等級であればどちらも同じ割引増率が適用されていました。

ところが改定された料率制度では、事故有と事故無で割引増率に差が付くようになり、事故により保険を使うと翌年から3年間割高な事故有係数が適用されてしまい、保険料の値上がりが以前に比べずいぶんと大きくなってしまったのです。

等級据え置き事故の廃止

また、自動車保険の料率改定前は、車両盗難、飛び石、落書き、落下中の他物との衝突、火災、爆発、台風などの自然災害や避けようのない被害の場合は、等級据え置き事故と見なされ、事故によって保険金が支払われても翌年の等級は今年度の等級と同一の等級に据え置かれていました。

しかし、今回の改定に伴い、車両盗難、飛び石、落書きなどの「等級据え置き事故」も廃止となりました。以降、等級据え置き事故は1等級ダウン事故として取り扱われることになりました。

自動車保険料率表

上の表は某保険会社のノンフリート等級の料率表です。例えば高速道路を走行中、飛び石被害に遭い、保険でフロントガラスを取替えなくてはならない事故で車両保険を使ったとします。お客様の現在の等級が15等級とすれば、無事故の割引率は50%です。改訂前の料率制度であれば等級据え置き事故ですから、翌年も15等級の50%割引でした。

しかし、新しい料率制度では1等級ダウン事故でさらに事故有係数が適用されてしまうために、翌年は事故有の14等級、31%割引となってしまいます。そしてその年に事故で保険を使わなければ、その翌年に無事故の15等級、50%割引に戻る仕組みです。

たった1年間の等級ダウンとはいえ、50%割引が31%割引となってしまいますので、保険料への影響ははっきり感じられます。

3等級ダウン事故と違い1年間の値上がりなので、保険を使うかどうかの判断はそれほど難しくはないかもしれませんが、それでも車両保険を使うかどうかを適切に判断するためには、翌年の保険料の値上がり分を保険会社に問い合わせ、修理見積りと照らし合わせることが大切です。

フェラーリ F355 フレーム修正 板金塗装 修理事例

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フェラーリ F355の板金塗装事例をご紹介します。
フロント右側に大きなダメージを受けており、オーナー様の加入する車両保険を使って修理させていただきました。

一見するとフロントバンパーを交換すれば直る程度の損傷にも見えますが、バンパーをはずしてみると、フレーム修正を要するダメージでした。

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フロントクロスメンバーは酷く変形して、右のフロントサイドメンバーも先端が潰れてしまっています。

右のメインワイヤーハーネスも切断されております。フェラーリ F355のワイヤーハーネスは約35万円とかなり高額です。

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バンパー、付属品、フロントサスペンションを取り外し、フェラーリ F355の車体をセレットベンチにセットします。

このフェラーリF355専用のセレット(CELETTE)ジグですが、高精度のフレーム修正にはどうしても専用ジグが欠かせないので、今から12年前に自分たちで実車のボディー計測をしてワンオフで製作した「世界に一つだけのフェラーリ F355専用ジグ」なのです。

このジグを使うとたった1mmのフレーム寸法の狂いさえ判ってしまいます。

フレームにダメージを受けたどんな大きな事故でもこのフェラーリ F355専用ジグがあれば、精密なフレーム修正ができます。

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フレームに何のダメージも無い車体であれば、すべての個所がボルトでスムーズに固定できます。

逆に少しでもダメージを受けているとボルトやピンが入らず固定できません。ジグがスムーズに固定できるか、できないかという単純な原理なのですが、目で見て確認できるからこそ正確で失敗の無いフレーム修正作業ができるのです。完璧な三次元修正ジグです。

 

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サスペンションのロアアームやアッパーアームの取付け部も完璧に固定できます。

今回はフロントサイドメンバーを強い力で引き出す目的でサスペンションの取付け部を固定しましたが、サスペンションへのダメージの波及が疑われる場合などは、ミリ単位の狂いは目視では確認できません。ロアアームやアッパーアームの取付け部で1mm狂いがあったら、アライメント調整は効かず、車の走行に支障をきたします。

でもこのジグを当ててみれば1mmの狂いも見逃しません。

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赤いブラケットの位置が正しい位置なのですが、ご覧のようにずいぶんと後ろに押されているのが判ります。

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まずは奥に押された分だけ引き戻し、正しい位置に修正します。

へこんだり、潰れた部分を交換するにしても、フレームを元の位置まで戻さなくてはなりません。必要に応じて引くポジションや角度を変えて繰り返し行います。

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次にフロントクロスメンバーと呼ばれる表側のパネルを取り外します。ボディーに溶接されているので、溶接個所を全て剥がしてしまいます。

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サイドメンバーの内側が完全に潰れてしまっています。

 

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サイドメンバーアウター(外側)も変形が酷いので、部分的に切開します。

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フロントクロスメンバーを取り外した状態でサイドメンバーやフロアパネルを正しい位置まで引き戻します。

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潰れたサイドメンバーインナーも引き戻しました。

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残部を丁寧に板金で修理します。

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あそこまで潰れてしまっていたサイドメンバーの先端(画像左側)は引き作業でボロボロになっています。

そのため部分的に新しいパーツに取り換えなくてはなりません。

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ただ、この損傷状態は作業を開始し、フレーム修正を行い、フロントクロスメンバーを剥がしとって初めて見えた部分ですので、ここで新たにサイドメンバーをフェラーリにオーダーしても在庫が無い可能性もありますし(たぶん無いでしょう)、部品の調達を待っていると時間ばかりが経過してしまいますので、今回は当社の板金職人が自分で鉄板から作ってしまいました。

こういう創作板金のような対処ができないとフェラーリのようなスーパーカーの板金屋は務まりません。

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手作りのフレーム先端部です。溶接も済みきれいに仕上がりました。

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因みにこれは反対の左サイドメンバーです。

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錆を防ぐ意味でも先にプライマーサフェーサーを塗装します。

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新品のフロントクロスメンバーです。次にこれをフェラーリの車体に溶接する工程に入ります。

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溶接の前に予めトランクルームの内側部分だけサフェーサーを塗装しておきます。

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フロントクロスメンバーをフェラーリ F355のボディーに溶接します。

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フロントメンバーは左右フロントフェンダーにも溶接します。

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この部品はフロントサイドメンバーのアウターパネルです。

赤枠で囲った部分をカットして、現車に移植します。

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カットした部品を溶接します。

むやみに交換範囲を拡げるのではなく、強度も考慮し最小限の範囲で作業するのが、板金塗装を綺麗に仕上げるコツです。

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最後はパテを使って仕上げます。

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これでフレームの修正作業が完了しました。

ジグもピタッとフィットし、フェラーリF355のボディーは寸分の狂いなく元通りに修復できました。

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ボディーの最終的な板金作業を行う前に新品のフロントバンパーの立付けを確認します。

 

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それにしましてもフェラーリのバンパーは新品とは言え、毎度のことですが品質が難有りです。そのままでは使い物にならず必ず加工や修理が必要になります。

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端が欠けてたり、

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割れて、穴まで開いていたり・・・
これを不良品だと言ってインポーターに返品したところで、次に来る部品も大差ないことが経験上わかっているので、修理して使います。

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バンパーの加工修正やフェンダー、フロントパネルの板金によって全体の隙間や立付けのバランスを整えます。

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サフェーサーを塗装します。溶接して鉄板が剥き出しになっている部分やパテを付けた部分を全てシールします。

トランクルーム内

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フロント廻り

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左右フロントフェンダー

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そしてフロントバンパーもサフェーサーを塗装します。

サフェーサーは加熱乾燥して塗膜を充分に硬化させます。なるべく長い時間をかけて溶剤分を完全に揮発させます。

 

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サフェーサーが硬化したら耐水ペーパーを使って平滑に研ぎあげ、各所にシーリングを施します。フェラーリ F355オリジナルなシーリングを忠実に再現させます。

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トランクルーム内もこのように。

トランクフロアの塗装はオリジナルな状態です。見た目は決して綺麗なものではなく、薄っすら赤く染まっていたり、黒の塗料が飛び散っています。

ここから、トランクルームを塗装します。

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塗りあがるとこんな出来栄えです。

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色の濃淡、染具合などオリジナルと見分けがつかぬように細心の注意を払います。

事故の痕跡を残さないように、わざと汚れたような感じに塗装します。

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ボディーの塗装です。ごみやほこりをシャットアウトした塗装ブースの中でフェラーリなどスーパーカーの塗装に精通した熟練職人が、フェラーリ F355のオリジナルな塗装の肌、質感を再現させます。

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艶消しの黒を塗装します。塗料はマットな黒なら何でもいいわけではなく、黒とは言っても濃さや艶の引け加減がフェラーリのオリジナルとぴったり同じに仕上がる材料を厳選しています。

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フロントクロスメンバーも穴の中に赤い塗装がかすかに覗くように、細部までオリジナルを忠実に再現します。

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フロントバンパーもセンターと底部に艶消しの黒を塗装します。

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バンパーグリルも塗装します。

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板金塗装作業完了です。フェラーリ F355は何事も無かったかのように元通りに修復しました。

チリ(パネルとパネルの隙間)も立付けもバッチリに仕上がっております。

このたびはインターパシフィックにフェラーリ F355の板金塗装をご用命くださり、誠にありがとうございました。

ランドローバー レンジローバー イヴォーク 板金塗装 修理事例

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レンジローバー イヴォークの板金塗装事例をご紹介します。
スーパーマーケットの駐車スペースにバックで入ろうとした際、車載のバックカメラしか見ていなかったため、誤って左後部を柱にぶつけてしまいました。
新車で購入したばかりということもあり、お客様が加入している車両保険を使ってきっちり修理させていただくことになりました。

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レンジローバー イヴォークの損傷状況は、リアバンパーをぶつけて前に押されたことによって、リアフェンダーがわずかにへこんでいます。

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アーチモールも外れてしまっています。

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リアバンパーは無塗装の黒い樹脂素材の部分にダメージを受けています。レンジローバー イヴォークのリアバンパーは白く塗装された部分と無塗装の黒い樹脂の部分が一体なのです。塗装された面であれば、程度によっては修理が可能なのですが、無塗装の部分となりますと修理はできないため、損傷の大小にかかわらず否応なく交換せざるを得ません。

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テールランプやリアバンパーを取り外し、リアフェンダーの角を板金します。

 

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塗装のマスキングの邪魔になるので、クォーターウインドウガラスも取り外します。
塗装後の組み付けの際にガラスは再度貼り付けます。

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リアフェンダーの板金した部分にサフェーサーを塗装します。

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赤外線ヒーターを使って、サフェーサーを十分に加熱乾燥して硬化させます。

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先述したようにレンジローバー イヴォークのリアバンパーは塗装される部分と無塗装部分が一体です。左側が新品パーツで、このような状態で供給されます。新品バンパーの値段は税込93,240円です。

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サフェーサーが硬化したら、耐水ペーパーを使って塗面を研ぎこみます。

溶剤で脱脂し、マスキングを施し塗装に備えます。

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リアバンパーも同様に水研ぎで仕上げ、脱脂します。

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ごみやほこりがシャットアウトされた塗装ブースの中で、熟練の塗装職人がレンジローバー イヴォークのオリジナルな塗装肌を忠実に再現させます。

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リアバンパーも塗装ブースの中で、無塗装の部分をマスキングして塗装します。

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レンジローバー イヴォークはまるで何事も無かったかのように元通りに直りました。

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保険会社との修理協定額は税込304,353円(部品105,903円、工賃198,450円)となりました。

新車で購入したばかりのお車をぶつけてがっかりだったと思いますが、誠心誠意丁寧に修理させていただきましたので、素敵なレンジローバー イヴォーク、大切にお乗りください。
このたびはインターパシフィックに板金塗装をご用命くださり誠にありがとうございました。