ボルボ S60 修理


東京都内にお住まいのお客様よりボルボ S60の修理を依頼されましたので、ご紹介します。
ご自分でぶつけた覚えが全く無いのに、ボルボの左フロントフェンダーがへこんでいるのに気付きました。目立つヘコミなので、自費できれいに修理したいとのことでお車をお預かりしました。

ヘッドライトを取り外し、バンパーも左側を脱着します。
へこんだ部分を板金し、元通りの面に修復していきます。フェンダーアーチのラインも丁寧に修理して復元させます。

鉄板のごくわずかな凹凸を平滑に整えるため、パテを付け充分に乾燥したら研いで仕上げます。

板金による修理が済むと、表面をきれいに脱脂洗浄してからサフェーサーを塗装し、板金箇所をシールします。
加熱乾燥で塗膜を充分に硬化させてから、水研ぎで仕上げます。

次に調色を行います。

色については塗料メーカーのWEBサイトで検索し、ボルボのカラーコードを入力すれば配合データーは簡単に調べられるのですが、データー通りの配合では色は合いません。
そのため塗装作業者が配合を微調整し、そのたびごとに調色シートと呼ばれるテストシートに塗装して色を作り込んでいくのです。写真は人工太陽灯を用いて色の確認作業をしている場面です。調色シートが5枚ありますが、それはこの時点で5回の調色を行ったことを意味します。

塗料が完成すると塗装ブースの中にボルボを入れて塗装作業を行います。
ゴミやホコリが付かないように細心の注意を払い、ボルボの塗装肌を忠実に再現させます。

ボルボS60の修理完了です。
修理費用は税込み110,000円となりました。
今回お客様には当社が加盟している鈑金匠ネットの還元サービスで楽天スーパーポイント5,500ポイントをプレゼントさせていただきました。
このたびはボルボ S60の修理をご用命くださり、誠にありがとうございました。

スバル インプレッサ 板金塗装


川崎市にお住まいのお客様よりスバル インプレッサの板金塗装を依頼されましたので、修理事例をご紹介致します。
左後フェンダーとリアバンパーを擦って傷付けてしまいました。
最初ディーラーに持っていったら、けっこう高い見積りだったそうです。
今回は自費での修理なのでなるべく安く直したい、でもまだ新しい車なので何とかきれいに修理して欲しいとのご要望でした。

先ずテールランプを取り外し、リアバンパーも作業しやすいようにリアフェンダーとの間を浮かせます。
リアフェンダーを板金し、バンパーはサンダーで傷を削り落します。

リアフェンダーの板金が終わると、パテを薄く付け、乾燥後研いで仕上げます。

サフェーサーを塗装し、修理部分をシールします。
充分に加熱乾燥させてから、研いで仕上げます。
フェンダーアーチのライン等もこの段階で元通りに復元させます。

今回スバル インプレッサを「安く、きれいに」修理するするためにどのような方法で塗装したのかご説明します。

リアフェンダーはパネル1枚塗装するのではなく赤囲いのプレスラインの角で塗装を区切りました。マスキングテープに細工を施して塗装するので、区切った部分に塗装の段差が生じることはありませんし、目を凝らして見ても全く判らなく仕上ります。

リアバンパーは白囲いのようになるべく幅の狭い部位でクリア塗料を薄めてぼかしてしまいます。
熱を加えて塗料が乾いて馴染んだら、ポリッシャーでサッと磨けばきれいに仕上がります。

ご覧のようにスバルインプレッサは何事も無かったかのように元通りに直りました。

今回の修理代は税込み65,000円となりました。
このたびはスバル インプレッサの板金塗装をご用命くださり、ありがとうございました。

フィアット アバルト 695 TRIBUTO FERRARI コーティング事例

納車されて間もないフィアット アバルト 695TRIBUTO FERRARIのコーティング施工事例をご紹介します。
新しいうちにボディーとアルミホイールにコーティングを施工したいとのことでお車をお預かりしました。

 

せっかくきれいにするのだから、コーティングの前に早速傷付けてしまった右フロントのアルミホイールを修理して塗装します。

 

さらに、左のドアエッジに着いた傷も部分的に修理塗装します。

これでアバルト695FTは無傷となりましたので、ポリッシャーを使ってボディーをしっかり磨き上げます。

新車時に塗布されたガードワックス(納車までの間の雨染み防止、水溶性なので洗えば落ちる)がボディーに残っていたようで、それもしっかり除去します。

研磨作業が終わるとコーティング液を塗り込みます。充分に定着させた後拭き上げます。今回は水切れ性の良い排水性のガラスコーティングを施工しました。

お車の保管が屋外の車庫なため雨染みやウォータースポットが付きにくいタイプのコーティングをお選びいただきました。

作業が終わると60℃×1時間の加熱乾燥を行います。これによりガラスコーティングの被膜を完全硬化させ、耐久性に優れた被膜を完成させるのです。

日頃のお手入れは、水洗い洗車の後に時々付属のメンテナンス剤をスプレーしクロスで拭き上げて下さい。コーティングが一層長持ちします。

BMW 530i 板金塗装

リアフェンダーとリアバンパーをぶつけてしまったBMW530iの板金塗装事例をご紹介いたします。
今回は車両保険は使わず自費で修理したいとのオーナー様のご要望でお車をお預かりしました。
クオリティーの高い仕上げを目指しつつ、自費ですので、なるべく費用を抑える方針で修理を行います。

バンパー、テールランプ、さらにはトランクルーム内の内張りをはずして裏側から板金を行います。パネルの内側に手が入るので、かなり精度の高い板金作業ができました。

パテを薄っすら付けて平滑に仕上げます。

プライマーサフェーサーを塗装し、充分に加熱乾燥させます。

今回の損傷でリアフェンダーの内側もかなり変形していました。
トランクルームの内張りで隠れる部分ですが、丁寧に板金します。
表面より内側のほうが手間がかかりました。

プライマーサフェーサーを塗装してから、オリジナルと同じ風合いに塗装します。

リアバンパーは変形を修正し、傷をサンダーで削り落します。
パテは使わず修復させます。

プライマーサフェーサーを塗装します。

塗装ブースの中でゴミやホコリが付かないよう細心の注意をはらい、BMWオリジナルの塗装の肌を再現させます。

リアバンパーは修理費用を抑えるため、部分塗装で対応しました。

完成です。ご覧の通り、何事も無かったかのように元通りに直りました。

修理費用は税込み158,550円となりました。

お客様は当社が加盟している鈑金匠ネットの還元サービスを希望されました。鈑金匠ネットでは税込修理代金10,000円につき500円分のENEOSプリカを加盟工場で修理されたお客様にプレゼントしております。今回は7,500円分のENEOSプリカをプレゼントとなります。全国のENEOS(新日本石油)のサービスステーションはもちろんのこと、セブンイレブン、ローソン、ファミリーマートなどでもご利用いただけます。

このたびはインターパシフィックにBMW530iの板金塗装をご用命くださり、ありがとうございました。

BMW335iカブリオレ 板金塗装


東京都大田区にお住まいのお客様よりBMW335iカブリオレの板金塗装修理を依頼されましたので、ご紹介いたします。
自宅マンション駐車場の曲がり角で左側面をかなり強くぶつけてしまいました。
お客様は、まさか自分でぶつけるとは思ってもいなかったので車両保険を掛けておりませんでした。
お見積りで来店された際にお話をうかがうと、不測の事態で出費は痛いのだが今後も大切に乗っていきたいので、「安かろう、悪かろう」ではなくキッチリ丁寧に修理して欲しいとのご要望でした。

ドアパネルは保険修理であれば新品パネルに取替えたいところなのですが、今回は自費での修理ですので、いくら丁寧に修理して欲しいとは言え、やはり費用を抑えてさしあげたいので、板金で直すことにしました。クォーターパネルもかなり酷くへこんでいましたが、板金で問題無くきれいに修理できます。

ドアを開けた内側(ロックピラー)にもダメージがあります。

ロッカーパネルカバーは樹脂でできていますが、傷と変形が酷いので、さすがにこれは新品部品に取替える必要があります。部品代は30,500円です。

ヘコミが酷い角の部位は、人の力では引き出せないので、専用のワッシャーをパネルに溶接し、ワッシャーの穴に鉄の棒を通し、レバーブロックを使い粗出しを行います。
一見、粗っぽい作業に見えるかもしれませんが、少しづつ、じわりじわり、慎重に引っ張り出します。

次にスタッド溶接機を使って、引出し板金作業を行います。パネルの裏側に手が入れば、叩き出す事ができるのですが、できない場合は表から引出して板金します。
作業者が手にしているスティック状の道具の先端を引出したい部位に当て通電させると、先端がパネルに溶接されます。左手を手前にスライドさせるとパネルが引き出されます。
この作業を繰り返し行い、へこんだパネルを復元させます。

だいぶ元通りの形に板金が仕上ってきました。
黒い斑点のように見えるのは、鉄板を絞った跡です。
簡単に言えば、お灸をすえて、鉄板の延びてしまった部分を縮めるのです。

可能な限り板金で元通りの面に戻した後は表面を整え、脱脂洗浄を行い、板金パテを付けます。

当社で使用しているパテはRMのSTOP MULTI。ヨーロッパ製です。
最も硬いパテだと思います。硬くて研ぎにくいので、通常使われているパテの2倍位の手間がかかるかもしれません。しかしその分耐久性にとても優れていてクオリティーが高いので、インターパシフィックはこのパテに統一しております。

研ぎ易いパテ=やせ易いということです。

パテが充分に硬化してから、平滑に研ぎ上げます。板金職人の手でわずかな歪みや凹凸を取り除きます。

板金が終わると、シール性に優れたサフェーサーを塗装します。しっかり加熱乾燥させてから、耐水ペーパーを使って研ぎあげます。
塗装職人の手の平の感覚だけで、全く元通りの面に仕上げます。

外板パネルを塗装する前に、内側の塗装を済ませます。ドアを開けた内側のロックピラーの塗装です。
塗装の痕跡を残さないように、必要最小限の範囲で塗装します。

ドアの内側です。

内板パネルの塗装が済むと、外板パネルの塗装を行います。
ゴミやホコリをシャットアウトした塗装ブースの中で、BMWオリジナルの塗装肌を再現させます。

新品パーツのロッカーパネルカバーやドアハンドルも塗装します。

BMW335iカブリオレの板金塗装修理完了です。
お客様は「目を凝らして見てもどこをどう直したのか判りませんね」と仕上りに満足してくださいました。

BMW335iカブリオレの修理費用は税込み430,000円となりました。

ホンダ ステップワゴン 塗料ミスト除去

ボディー全体に塗料ミストが付着してしまったホンダステップワゴンの車両保険を使った塗料ミスト除去およびコーティング施工事例をご紹介します。

オーナー様は新車でステップワゴンを購入した際、ディーラーでボディーとアルミホイールにガラスコーティングを施工してもらいました。

そして一年後のコーティングのメンテナンスで車をディーラーに預けたところ、ボディー全体に何かが付着しているようでザラザラしていると指摘されました。

言われてみれば以前ウインドウワイパーを動かした時、ワイパーゴムが引っ掛かる感じがあり、硬い食器洗い用のスポンジを使ってゴシゴシ洗った覚えがありました。

肉眼では見えないのですが、どこかで外壁塗装をしていてその塗料ミストが飛来してきて車に付着したのではないかと思い、保険会社に事故報告をしました。今回のケースは翌年保険の等級が下がらない、等級据置事故として扱われます。

新車で購入してまだ一年の大切な車です。車両保険を使って完璧に元通りにしたいという強い思いで当社に作業をご依頼下さいました。

当社でお車を拝見したところ、車全体がざらついているのは確かに塗料ミストの付着のようなのですが、塗料の粒子が目に見えないので、建築用の塗料ではなく自動車塗装の塗料ミストではないかと推測しました。

外壁の吹き付け塗料は粒子が大きいので、付着した状況を目視で確認することができます。車に吹き付ける塗料は粒子が細かいので、今回のようにホワイト系の車では付着しても目視で確認することは困難です。

オーナー様にどこかで板金塗装したことはありませんかと尋ねたところ、車を購入して間もないころ、バンパーの角をちょこっと擦って近くの板金塗装工場に修理に出したことがあるとのことでした。

聞けば塗装ブースなどの設備が無い工場だったようなので、工場内で別の車を(広範囲に)塗装した際に塗料ミストが飛んでステップワゴンに着いたのかもしれません。

それにしてもボディーだけでなく、ガラス、ヘッドライトなど全身ザラザラです。

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保険会社のアジャスターと作業内容を打合せた結果、ボディー、ウインドウガラス、ヘッドライト、テールランプ、フロントグリル、アルミホイールはミスト除 去及び研磨作業を行いコーティング再施工、磨くことのできないモール類やエンブレムは全て新品に取替ということになりました。

 

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全体に付着したミストを完全に除去するため、バンパーやドアミラー、ドアハンドルなど取れるものは全て取り外して磨き作業を行います。

今回の作業はかなり特殊な作業です。

ミストを除去した後、ポリッシャーとコンパウンドを使い丹念に磨きをかけます。

アルミホイールは小型のポリッシャーを使って磨きます。

ポリッシャーが使えない細部は柔らかいタオルにコンパウンドを付け、手作業で磨きます。

取り外したドアハンドルやドアミラー、フロントグリルなどもこのようにして磨きます。

磨き作業が終わると部品の組み付けを行います。写真に写っている部品は取り替えたモールや樹脂パーツです。無塗装の部品やゴム類は磨けないので全て新品に取り替えました。

部品の組みつけを終えると、ボディーとアルミホイールにそれぞれコーティング剤を塗り込み乾いてから拭き上げます。

最後に塗装乾燥ブースに車を収納し、60℃×1時間の焼付を行います。

ガラスコーティング施工後に加熱乾燥させることで一層強固な被膜が形成されるのです。

今回はかなり大がかりな磨き、コーティング作業となりましたが新車かそれ以上の仕上りとなりました。

ポルシェ カイエンターボ ボディーコーティング施工事例

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東京都新宿区にお住まいのお客様よりポルシェ カイエンターボのコーティングを依頼されました。
ポルシェディーラーで認定中古車として購入したとても程度の良い素敵なカイエンターボです。

今回は排水系のボディーコーティングとウインドウガラス、アルミホイールの撥水コーティングを施工させていただきました。

ポルシェカイエン-20111214

また、コーティングと同時に左のドアミラーカバーとドアエッジに付いた傷の修理 塗装も依頼されました。
内外装ともに新車と見紛うほど綺麗なカイエンですが、左のドアミラーとバックドアを含めた5枚全てのドアのエッジにちょっとしたキズがついていました。
たしかに塗装してこれらを修理すれば無傷のポルシェカイエンになります。お客様はこれらの傷が気になるとのことで、コーティングの施工と一緒に傷の修理も依頼されました。

ポルシェカイエン-20111214

ドアはエッジの傷を綺麗に削り落してから、写真のように渕だけをマスキングします。

塗装後に塗料の段差が出ないようにマスキングテープに細工をして養生しますので、完成すると目を凝らして見ても修理跡は全く判らなくきれいに仕上がります。

ポルシェカイエン-20111214

ドアミラーはカバーだけを分解し、塗装ブースのなかで、塗装します。

作業の順序としては、まず傷の修理が済んでからボディーの磨き作業とコーティング施工を行うのですが、これらを一貫して自社で行えるのが板金塗装工場であるインターパシフィックの強みです。
ドアエッジの塗装はとても繊細な作業ですので、どこをどのように塗装したかを分かったうえで車を磨くのと、どこか知らない板金塗装工場で作業した車を研磨するのでは大違いです。

お客様よりポルシェカイエンターボの保管状況やお手入れ方法などをお聞きした結果、低撥水、防汚タイプのコーティングをお勧めさせて頂きました。このコーティング剤は大変水切れ性に優れていることから、排水性と称しております。ウォータースポットや水垢が付きにくいタイプのコーティングです。
コーティング施工後は塗装・乾燥ブースに車 を入れて、60℃×1時間の加熱乾燥を行います。
この熱処理よりコーティング被膜の硬化が促進され、一層強固な被膜が完成するのです。

またボディーコーティング施工後の日常のお手入れはとても簡単、水洗い洗車で充分です。洗車の後に付属のメンテナンスコンディショナーを月に1回程度お使い頂くとコーティングの効果が一層長持ちします。

このたびはインターパシフィックにポルシェ カイエンターボのコーティングをご用命いただき、ありがとうございました。

フェラーリ F355 板金塗装

フェラーリF355の右ロッカーパネルカバー交換修理事例をご紹介致します。
購入してからほとんど乗っていないのに、グラスファイバーでできているロッカーパネルカバーをぶつけてしまいました。完全に割れてしまっています。

ファイバー製品ですので、このように形が残っていれば修理してできないことはありませんが、かなりの修理時間を要します。できれば交換したいところですが、値の張る部品ですのでせめて中古部品でもあれば・・・・。
あれっ、もしかして部品庫にあったような微かな記憶。右だっけか左だっけか、とにかく探してみようということで当社の倉庫を探してみました。

ありました!しかも同じ右側!
擦り傷やチッピングが沢山付いているけど、こちらを修理して塗装したほうが絶対きれいに仕上がります。
オーナーさんも喜んでくださいました。
本当に偶然、同じ右側だけ持っていたのです。おそらく以前保険修理で取り替えたか何かの残物だと思います。

ロッカーパネルカバーを取り外すと、フェラーリF355のステップ部は写真のようになっているのですが、最初にキックプレートを外さなくてはロッカーパネルカバーは外れません。

そしてこのキックプレートが曲者です。
ボディーにしっかり接着されているので、取るのが大変なんです。
フェラーリは個体差が大きいので、接着剤の量が少なければ、丁寧に作業すればきれいに剥がせて再使用できるのですが、接着剤でびっちり取り付いていると剥がす際にキックプレートが変形し、まともには再使用できない場合があります。
したがって極力頑張ってみますが、接着が強すぎてキックプレートが変形してしまったら交換となることを予めオーナー様にはご承諾頂かなくてはなりません。
因みに、交換となった場合、部品代は9万円位かかります。
今回はなんとか上手く接着を剥がすことができました。

ロッカーパネルカバーの表面に付いた傷をサンダーを使ってきれいさっぱり削り落します。
パテを使わなくてはならない程の傷はありませんでした。

プライマーサフェーサーを塗装し、ロッカーパネルカバーをしっかりシールします。
加熱乾燥させた後、水研ぎして仕上げます。

塗装ブースのなかでゴミやホコリの付着に細心の注意をはらい、フェラーリの塗装の質感を再現させます。

次に部分的に艶消しの黒を塗装します。
この艶消しの黒も、色合いと艶の引かせ加減が難しいのです。ただの艶消し黒を塗装したらオリジナルとはまったく違った質感になり、いかにもそこを塗装しましたという安っぽい出来栄えになってしまいます。
フェラーリはF355だけでなく、360モデナでもF430でもバンパーやトランクルーム等随所に艶消しの黒が塗装されています。
オリジナルと同じ黒を再現できるかどうかがフェラーリを上手に仕上げるうえでの一つの肝と言っても過言ではありません。

完成です。フェラーリF355はすっかり元通りになりました。

今回の修理費用は税込み160,566円となりました。
このたびはインターパシフィックにフェラーリF355の修理をご用命頂き、ありがとうございました。

フェラーリF355 マグネシウムホイール 修理

フェラーリF355の純正マグネシウムホイールの修理塗装事例をご紹介します。

マグネシウム合金は実用の中では最も軽い金属で、フェラーリF355の純正ホイールにも採用されております。

しかし軽量である反面、耐食性が非常に低く塗装の密着性が悪いという欠点があります。

そのためホイール製造時にはそれらの問題をカバーするために特殊な化成処理が施され、その後に塗装されるのですが、写真のようにマグネシウムの素地にまで達する傷が付いてしまうと修理塗装は困難を極めます。

アルミホイールや車のボディーの修理と同じ方法で塗装すると、マグネシウム合金はすぐに腐食してしまいます。そうなると塗膜が膨れて浮き、やがて塗装が剥がれてしまいます。

インターパシフィックではこの問題を解消するためのマグネシウムホイールのリペア方法を確立しておりますので、以下にその作業内容をご紹介します。

先ずタイヤを脱着し、ホイールの傷を入念に削り落します。オリジナルな塗装ではマグネシウム合金の素地に腐食対策と塗装の密着性向上のための表面処理が施されていますので、必要最低限の範囲で研削を行います。

 

 

 

 

 

 

 次にマグネシウム合金専用の特殊プライマーを塗布します。

ここで使用するプライマーがマグネシウムホイール修理の一番の肝になります。

 

 

 

 

 

さんざん苦労してやっとたどり着いた専用プライマー。

入手経路はさすがに企業秘密です。

 

 

 

 

 

120℃×40分という高温で焼き付けなくてはなりません。

非接触タイプの表面温度計を使ってマグネシウムホイールの表面温度を120℃にコントロールしながら、近赤外線ヒーターでプライマー塗膜をしっかり焼付ます。

 

 

 

 

 

研ぎ作業等の下処理、マスキングを済ませ、塗装の準備が整います。

 

 

 

 

 

 

塗装・乾燥ブースの中でゴミやホコリが付かぬよう慎重に塗装作業を行います。

フェラーリF355のマグネシウムホイールのオリジナルな塗色は、全く問題なく再現できます。

 

 

 

 

 

塗装完了です。新品のように仕上ります。

 

 

 

 

 

 

タイヤを組み付けて完成です。足元がピカピカだと車の質感がグッとアップします。

フェラーリF355のマグネシウムホイールの修理塗装、傷の程度にもよりますが、1本42,000円(税込、タイヤ脱着工賃除く)にて承ります。

 

 

 

 

 

アバルト695 トリビュートフェラーリ ボディーコーティング施工

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アバルト500をベースにし、アバルトとフェラーリのコラボレーションで作られたアバルト695 トリビュートフェラーリのコーティング事例です。
新車の内にしっかりコーティングを施しておきたいとのご要望で東京都内にお住まいのお客様より、焼付コーティングを依頼されました。

今回は水滴をしっかり弾きつつも水切れが良い、「排水性」のコーティングを施工させていただきました。
新車とは言え、先ずはしっかりボディーを研磨します。数種類のバフやコンパウンド、そして回転の違うポリッシャーを使い分けロッソコルサのボディーをピカピカに磨き上げます。

ボディー表面を脱脂した後、コーティング液を塗布します。ボディーに塗布したコーティング剤が定着したら、丁寧に拭き上げます。

塗装作業で使用する塗装・乾燥ブースにトリビュートフェラーリを入れ、バーナーを着火させてブース内を加熱します。60℃×1時間の加熱乾燥により、コーティングの被膜を完全硬化させます。
こうすることで耐久性に優れたコーティング被膜が完成するのです。

日頃のお手入れは、水洗い洗車の後に時々付属のメンテナンス剤をスプレーしクロスで拭き上げて下さい。コーティングが一層長持ちします。

メルセデスベンツ S500 板金塗装

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中古車で購入して間もないメルセデスベンツS500の板金塗装を依頼されました。
走行距離が少なくとても程度の良いベンツです。オーナー様はうっかり左の後をぶつけてしまいました。ご自分でもリアクォーターパネルのへこみとバンパーの変形が酷いことがわかったので、最初から車両保険で修理するお考えでご来店下さいました。
とにかくバッチリ綺麗に仕上げて欲しいとのご要望でベンツをお預かりしました。

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リアクォーターパネルは板金で直します。
凹みを丁寧に引き出し、最後はパテで表面を整えます。当社では耐久性に優れ、「パテ痩せ」しにくいヨーロッパ製の板金パテを使用しております。パテの乾燥時間が早いとか、研ぎ易いなどがうたい文句のパテでは作業は楽かもしれませんが、後々の事を考えると怖くて使えません。
当社で使用しているパテは、硬化すると硬く研ぎにくいパテなのですが、その分、板金した部位のパテ痩せの心配がありません。インターパシフィックでは通常このパテ1種類で仕上げます。

今回リアバンパーとテールランプは新品部品に取替えました。

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板金作業が終わると、表面をきれいに脱脂してからプライマーサフェーサーを塗装します。
加熱乾燥で充分に硬化させてから、研いで仕上げます。

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使用する塗料はベンツの指定塗料、スタンドックス(STANDOX)です。ゴミやホコリが付かぬよう塗装ブースの中で細心の注意をはらって、ベンツの塗装肌を再現させます。

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今回の事故とは別にフロントバンパーの端にちょっとした擦傷がありました。
板金塗装以外にも新品タイヤ4本交換と、レーダー取付もご用命いただいたので、フロントバンパーの部分塗装はサービスで作業させていただきました。

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ベンツS500はすっかり元通りになりました。
保険会社との修理協定金額は、税込458,304円(部品220,080円、工賃238,224円)となりました。
このたびはインターパシフィックにメルセデスベンツS500の板金塗装修理をご用命下さり、ありがとうございました。

BMW 525iツーリング 保険修理

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神奈川県横浜市港北区にお住まいのお客様よりBMW525iツーリングの修理を依頼されましたので、事例をご紹介します。
お出かけ先で渋滞にはまり、脇道に入ったところ道幅が狭く、右のリアクォーターパネルとリアバンパーを擦ってしまったそうです。

BMW 525iツーリング-20111025

お客様は最初自費での修理をお考えだったようで、見積りのためにご来店下さいました。
リアバンパーは変形も少ないので、傷を削り落し部分塗装でも充分綺麗に直ります。リアクォーターパネルのへこみは大したことはありませんが、ヘコミがリアドアに近いので、色の差異を解消するためリアドアも塗装したほうが綺麗に仕上りますとご説明させていただきました。

BMW 525iツーリング-20111025

念のため、車両保険に加入されているかをお聞きしたところ、一般車両保険にしっかり入っていて、しかも等級は20等級で最大の割引率になっていました。
保険のノンフリート等級が低ければ、車両保険を使うよりなるべくお安く修理する方法をご提案するのですが、今回の場合では保険を使って修理をした方が良いですとお勧めさせていただき、BMWをお預かりさせていただきました。

BMW 525iツーリング-20111025

リアクォーターパネルは丁寧に板金で面出しを行い、パテを付け、充分に乾燥させてから研いで仕上げます。
リアバンパーはパテを使わず、傷をしっかり削り落して修理します。

BMW 525iツーリング-20111025

板金修理部位に2液硬化型のサフェーサーを塗装し、しっかりとシールします。
加熱乾燥で硬化させてから水研ぎで仕上げます。

BMW 525iツーリング-20111025

BMW 525iツーリング-20111025

自費での修理であれば費用面を考慮し、塗装範囲を抑えたり簡易的な方法で修理しますが、今回のように保険修理であれば、耐久性や仕上り重視で作業を行います。

リアクォーターパネルのへこみとリアバンパーの右端の傷の修理でしたが、色の差異を無くし、また塗装の仕上りと耐久性を重視すると今回のBMW525iツーリングはこのような範囲を塗装することになります。

BMW 525iツーリング-20111025

BMW 525iツーリング-20111025

保険会社との修理協定金額は部品代を含み、税込337,690円となりました。
お客様には「どこを直したのか全然わかりませんね!」と仕上りにご満足していただけました。
このたびはインターパシフィックにBMW525iツーリングの修理をご用命くださり、ありがとうございました。

フォルクスワーゲン トゥアレグ(VW) 板金塗装

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お車の修理やコーティングでお世話になっているお客様のご紹介でフォルクスワーゲン トゥアレグの修理を依頼されました。
スーパーの駐車場から出る際、うっかりしてトゥアレグの左後側面をかなり酷く擦ってしまいました。

左リアドア、リアフェンダー、リアバンパーがダメージを受けています。
リアフェンダーとリアバンパーは修理塗装できれいに直りますが、リアドアは広範囲にへこんでいるので、修理ではなく取替が必要となります。

トゥアレグのオーナー様が加入している車両保険は一般車両保険ではなく、自損事故では保険金が下りない車対車+A、いわゆるエコノミー車両保険でしたので、今回はあいにく自費での修理ということになりました。

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先ずはリアフェンダーの板金作業を行います。丁寧にパネルを引き出し、できるだけ元通りに面出しします。

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その後パテを付け、充分に硬化させてから研いで仕上げます。
フェンダーアーチのラインがキッチリ元通りになるように仕上げます。
リアバンパーはパテを使わず傷を完全に研ぎ落として修理します。

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サフェーサーを塗装し、加熱乾燥で硬化させます。

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新品のドアパネルを取付け、建付けを調整します。
自費でのご修理なので、修理費用を抑えるため中古パーツを探したのですが、見つからなかったのでやむを得ず新品のドアを使わせていただきました。

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ドアを一旦取り外して表面にサフェーサーを塗装し、裏側は裏吹きと言いますが、予め塗装しておきます。
この作業が終わると再度ドアをボディーに装着します。

VWトゥアレグ-20110930

VWトゥアレグ-20110930

塗装作業では取り替えたリアドアとフロントドアとの色の差異を解消するため、フロントドアにボカシ塗装を施します。

VWトゥアレグ-20110930

一方、修理費用を抑えるためリアバンパーは部分的な塗装で済ませます。

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修理完了です。フォルクスワーゲン トゥアレグは何事も無かったかのようにきれいに仕上りました。
修理金額は税込み400,000円(工賃243,655円、部品156,345円)となりました。
このたびはインターパシフィックにフォルクスワーゲン トゥアレグの修理をご用命下さり、ありがとうございました。

BMW 320i 板金塗装

BMW 320i-20110912

新車で購入してまだ1ヶ月のBMW 320iの修理を神奈川県相模原にお住まいのお客様より依頼されました。
お客様は帰宅途中にバイクと軽い接触事故を起こしました。バイクは転倒することも無く、運転手も無傷でした。またその時は暗い夜道で車に損傷があるようにも見えなかったので、警察を呼ぶこともせず、バイクとはそのまま別れてしまいました。
翌朝、BMWを見て右のフロントフェンダーがへこみ、バンパーにも傷が付いていることに初めて気づいたというわけです。
お客様が加入している車両保険は自損事故は補償されないエコノミー車両保険(車対車+A)でした。
今回のケースでは、その場で警察を呼んで事故処理をしていれば相手車両の存在する事故ということで車両保険が適用されたのですが、相手の名前や連絡先も確認せずその場で別れてしまっているため相手を特定することができず、したがって自損事故でないことを証明できません。
お客様の保険等級は割引が一番高い20等級になっていたので、車両保険を使って修理したいところですが、残念ながら今回はBMWを自費で修理するほかありません。

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お客様が車を購入したBMWのディーラーではフェンダーは交換と言われたそうです。BMW320iのフロントフェンダーは部品代が4万円程とそれほど高くないのでBMWディーラーの見立ては間違っていないのですが、自費での修理となると少しでも出費を抑えたいところです。

インターパシフィックでご提案させていただいたBMWの修理方法は以下の通りです。
1.フロントフェンダーは板金で修理
2.フロントバンパーは傷を修理して部分塗装できれいに直す
3.購入時にボディーコーティングを施工しているので、フェンダーとバンパーにガラスコーティングを再施工

これらの修理内容でご提示させていただいたお見積り金額は税込み126,735円です。
フロントフェンダーを取り替えるとフェンダー全面にボディー色を塗装しなくてはなりません。その場合、隣接パネルであるボンネットとフロントドアとの色の差異が少なからず生じてしまいます。メタリックやパールが含まれる塗色を100%再現するのは大変困難です。不可能と言って過言ではありません。色の差異は特にフロントドアとの間で目立ってしまいます。そうなるとフロントドアにボカシ塗装(詳しくは後述)をしなくてはなりません。
今回BMW320iのフェンダーのへこみは前方部分でしたので、上手に板金すればドアとの境界部分にベースコート(ボディー色)を塗装せずに作業できるので修理範囲を小さくでき、費用を抑えられることもご説明し、お車をお預かりさせていただきました。

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フロントフェンダーの板金作業には当て盤とハンマーを使います。バンパー、ヘッドライト等を脱着し、フェンダーの裏側に当て盤をあてがい、表からハンマーを使いへこみを修理します。

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できるだけ元通りの状態に近づけます。

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鉄板の表面をきれいに脱脂洗浄し、パテを付けます。硬化したら研いで仕上げます。

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端が傷付いたフロントバンパーはサンダーで傷を削ります。この程度であればパテは使わず修理できます。

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バンパーとフェンダーの修理部位にサフェーサーを塗装してシールします。加熱乾燥で塗膜を硬化させます。

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2枚の画像はサフェーサーを耐水ペーパーで研いで仕上げ、塗装ブースの中でマスキングを済ませ塗装の準備が完了した場面です。
左の画像をご覧頂くとわかりますが、フェンダーの前半分は色が薄くドア寄りの後半分は色が濃くなっています。前半分はサフェーサーが塗られていますが、後半分は塗装の密着を良くするためトップコートの塗膜の表面を水研ぎしただけです。

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左の画像をご覧ください。養生紙を被せているだけでテープで留めていません。これらの作業はボカシ塗装をするための下処理なのです。
「ぼかす」というのはいわば業界用語で、皆様にとっては意味不明の用語だと思いますので、ボカシ塗装についてご説明させていただきます。

私たちは車の板金塗装 修理に際し、常に「ぼかせるかぼかせないか」という視点で傷やヘコミの状態を見ています。ボカシ塗装はそれができるかどうかで修理金額や出来栄えさえ変わってしまうので、車の修理塗装にはとても重要なことなのです。
また、ボカシ塗装は2通りありまして、ボディー色であるベースコートのボカシとトップコートであるクリア塗料のボカシがございますので以下ご説明いたします。

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先ずベースカラーのボカシについてです。
画像を拡大してご覧頂くと赤枠で囲んだフロントフェンダーとドアの境目の養生紙には色が付いていないことがお分りいただけると思います。そして他の部分では養生紙にしっかりボディー色が付いています。
これはフェンダーの後部には色をかけていないということです。グラデーションのように色を薄めて塗装するので、ドアとの境目では元色のままなのです。その上にクリア塗料をフェンダー全面に塗装します。そうすることでフェンダーとドアの色の差異は解消でき、どの角度から見ても、日向でも日陰でも同じ色に見えるのです。
それでは調色の精度が高くなくてもぼかせれば良いのかというとそうではなく、ボンネットとの色の差異や違和感がないまでに精度は高めなくてはなりません。ドンピシャの100点にはできなくても95点位の調色精度にまで持っていき、そのうえで「ぼかす」のです。色合わせというのはそれほどシビアなのです。
今回のBMWのフェンダーのへこみがもう少し後にずれていたら、フェンダー内でベースコートをぼかすのは難しかったと思います。

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次はクリア塗料のボカシについてです。
バンパーの右端の傷を修理した部分にベースコートを必要範囲塗装しぼかします。その上にクリア塗料を吹き付けるのですが、部分塗装で仕上げるためどこかで塗装を区切らなくてはなりません。
ただどこかにテープを貼り付け、そこで区切ってしまうと塗膜の厚みの分だけ段差ができてそこで塗装を切りましたというのが見た目で判ってしまいます。これではプロの仕事にはなりませんので、クリア塗装をぼかして段差が出ないように、凝視しても判らないように仕上げる必要があります。
今回の場合、赤枠で囲んだ2ヶ所でトップコートをぼかします。ぼかしたい部分はクリア塗料を薄く塗装します。そして硬化した後ポリッシャーで磨いて仕上げるとぼかした部分は全く判らなくなります。ただしぼかしたのはトップコートのクリア塗料ですので、塗膜の薄い部分の耐久性は強くありません。将来ボカシ目が出てシミのようになることがあります。そのためなるべく狭い幅の部分でぼかして耐久性の弱さをカバーします。
クリア塗料のボカシはできる場所が限られます。バンパーの端やコーナーの傷の修理には適していますが、ボンネットやドアなどでは行いません。ぼかす範囲が広くなってしまうため、仕上りもきれいではないですし、ボカシ目が出るとかえって美観が悪くなるからです。

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今回のケースでは、その場で相手と別れてしまった為に車両保険が使えずお客様にしてみれば予期せぬ出費となってしまいましたが、新車で納車されてまだ1ヶ月のBMW320iということで金額だけではなく高いクオリティーで仕上げる必要がありました。
お車をお引き渡しするときに、お客様から「修理したところが全くわかりませんね」とおっしゃって頂きました。判ってしまう仕上げではプロとしてお話にならないのですが、いつ言われても嬉しいお言葉です。
このたびはBMW320iの修理をご用命頂き、誠にありがとうございました。丁寧に修理させていただきましたので、安心してお乗りください。

 

アウディ S5 ボディーコーティング事例

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アウディ S5のボディーコーティング施工事例をご紹介します。
ボディーに付いたちょっとした小キズ、気になるものです。特にコーティング施工を依頼しようと思えば、予め綺麗に修理しておきたいと思われるのではないでしょうか。
今回ボディーコーティングをご用命下さったアウディ S5のオーナー様も唯一ドアエッジに付いた傷が気になっていたそうです。
どうにか見栄え良く塗装して欲しいとのご要望でしたので、「仕上がれば目を凝らして見てもどこをどう直したのかわからなくなります。5,000円でいかが でしょう?」と、ドアエッジの部分塗装をご提案させていただきボディーコーティングと一緒に作業させて頂くことになりました。
コーティングと一緒に傷やヘコミも修理できるのは、板金塗装の専門工場であるインターパシフィックの強みです。

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先ずドアエッジの傷を平滑に削り落します。

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ドアエッジをマスキングして塗装作業を行うのですが、ただテープを貼るのではありません。塗装の跡が残らないように細工を施したマスキングテープをアウディのドアエッジぎりぎりに貼り付けます。
そしてスプレーガンで慎重に塗料を吹き付けます。塗料が硬化したらサッと磨いて出来上がりです。
このような部分塗装の場合、塗装する工場とガラスコーティングを施工する工場が別々ですと、加減がわからずボディーを磨いて塗装をぼかした部分の下地を出 してしまうことがあります。その点、当社は塗装とガラスコーティングを自社で一貫して行いますから適切な作業が行えます。

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アウディ S5のボディーに付いた唯一の傷の修理塗装が終わりましたので、いよいよコーティングの施工作業に入ります。
洗車と室内清掃を済ませてから、アウディ S5のボディーを丹念に磨き上げて行きます。数種類のバフとコンパウンド、さらにはポリッシャーをそれぞれ組合せ、ボディーの隅々までピカピカに磨きます。
コーティングの艶は液剤を塗布して出るのではなく、この磨き作業で出すのです。磨きにどれだけ手間をかけるかでコーティングの仕上りが変わってきます。

磨きと下処理作業が終わると、コーティング液を塗り込みます。傷が付かない特殊なクロスできれいに拭き上げ施工完了です。
そして塗装乾燥ブースにアウディ S5を入れ、60℃×1時間の加熱乾燥を行います。この熱処理により、コーティング被膜をしっかり硬化させるのです。どんなコーティングでも本当は加熱乾燥させたほうが高い性能を引き出せます。でも板金塗装工場でもない限り、なかなか車をまるごと一台加熱乾燥させられるブースは完備できません。
塗装のプロ集団だからできるコーティングと同時のキズ・ヘコミ修理、そして焼付けコーティング。
今回のアウディ S5のオーナー様はそのあたりを良くご理解してくださっていたようで、ピカピカな仕上りに大変ご満足して下さいました。
とても上品で素敵なアウディ S5!大切にお乗りください。このたびはインターパシフィックにご用命頂き、誠にありがとうございました。

レクサス CT200h(LEXUS) バンパー修理

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横浜市にお住まいのお客様より依頼された、新車で購入したばかりのレクサス CT200hのリアバンパー修理をご紹介いたします。

傷はリアバンパーの右角の下部に付いています。その上に塗料をタッチアップしているので、写真では全く判りません。でも新車を購入して最初に付けてしまった傷はどうにも気になるものです。
あまり費用をかけずにきれいに直らないでしょうかと、車を見せに横浜市よりご来店くださり、代車のご用意ができたところで、レクサスCT200hをお預かりさせていただきました。

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お客様と打ち合わせた結果、今回は修理費用を抑えるため、傷を修理してから部分塗装で仕上げることになりました。
ただ、バンパーの角についているソニックセンサーをはずした方が塗装の仕上りがきれいになるので、バンパーは脱着させていただきました。リフレクターも取り外しました。

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傷はサンダーでしっかり削り落すのですが、写真では判らないわずかな傷でも修理するとこの位の範囲を削らなくてはなりません。

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バンパーの表面を脱脂してからサフェーサーを塗装して修理箇所をシールします。今回のレクサスは黒系の濃色でしたので、黒のサフェーサーを塗装しました。こうすることで塗料のとまりが良くなり、塗装範囲も最小限に抑えられます。

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サフェーサーが硬化したら耐水ペーパーで平滑に研ぎ上げ、塗装ブースの中でゴミやホコリが付かぬよう注意をはらいながら、塗装作業を行います。
赤く囲った部分でトップコートのクリア塗料を薄めてぼかします。

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レクサス CT200hの修理代は税込み30,000円となりました。バンパーを脱着せず、ソニックセンサーやリフレクターをテープでマスキングして塗装すれば、もう少しお安く仕上げることもできますが、マスキングした跡がわかったり、その部分の塗装が剥がれ易くなったりするのであまりお勧めできる作業方法ではありません。
まして今回のレクサスはまだ納車間もないピカピカのお車です。目を凝らして見ても修理跡が全く判らない仕上げをさせていただきました。

お客様は当社が加盟している鈑金匠ネットENEOSプリカ還元サービスを希望されました。鈑金匠ネットでは税込修理代金10,000円につき500円分のENEOSプリカを加盟工場で修理されたお客様にプレゼントしております。今回は1,500円分のENEOSプリカをプレゼントとなります。全国のENEOS(新日本石油)のサービスステーションはもちろんのこと、セブンイレブン、ローソン、ファミリーマートなどでもご利用いただけます。
このたびは横浜市よりご来店頂き、レクサスCT200hの修理塗装をご用命くださりありがとうございました。

トヨタ プリウス 追突事故の板金塗装・修理事例

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信号待ちをしていたところをノーブレーキで追突され、リアが激しく潰れてしまったトヨタ プリウスの板金塗装 修理をご紹介いたします。
ここまで大きなダメージを受けたお車の修理事例に関しては、オーナー様の心中をお察しして、当社から修理事例の作成と掲載をお願いすることは無いのですが、今回はオーナー様が是非このプリウスの修理事例を作って、同様の被害事故に遭った人のために役立ててとおっしゃって下さったので、事例を作成し掲載させて頂くことにしました。
かなり長い文章になりますが、お読みください。

■事故の状況・原因

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首を長くして待ちに待った新車プリウスの納車から1カ月も経たないある日、国道で信号待ちをしていたところをノーブレーキの車に追突されてしまいました。国号が一次通行止めになるほどの事故だったそうです。
オーナー様は頸椎捻挫(ムチウチ)でその後数ヶ月通院することになってしまいました。

当初、プリウスはレッカー車でトヨタディーラーに運ばれました。加害者側の保険会社には「新車で納車されてからまだ1カ月も経っていないのにこんな大きな事故に遭って、けがはするしプリウスも相当酷い状態なので、新車に買い替えて下さい」と主張したそうですが、全損ではないのでそれはできませんと断られたそうです。

一方、ディーラーのフロントからは「パネルは交換しなくてはなりませんが、フレームは大したことはありません。」と言われて呆れかえり、ディーラーでプリウスを修理したらちゃんと直らないかもしれないと直感し、インターネット検索で当社のホームページをご覧になりお問い合わせを頂きました。

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ディーラーのフロントには断りの電話をするので、先ずはプリウスをディーラーから引き上げて欲しいとのご要望でしたので、早々に積載車でプリウスを引取らせていただきました。

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入庫したプリウスを拝見し、オーナー様がすぐに引取って欲しいとおっしゃった意味がわかりました。フレームもサスペンションも強烈なダメージを受けています。タイヤ&ホイールはそっぽを向いてしまっています。
どうしてフレームは大したことないと診断されたのか理解できません。

■全損の判断

無過失の対物被害事故でここまでダメージが酷く、まして納車されて1カ月の車であることを考えれば、今回のプリウスのオーナー様でなくても新車に取り替えてもらいたいと思うのは当然のことだと思います。
私も自分の車がこうなったら、新車に買い替えて欲しいと保険会社に喰ってかかるでしょう。実際保険会社に電話して、いくらなんでもこのプリウスのダメージは酷いから何とか全損で処理できないのか問い合わせてもみましたがだめでした。保険会社の判断は分損とのことでした。

確かにリア追突事故の場合、フロント事故と比べて修理金額が見た目ほどかからないのも事実です。
プリウスはエンジンルームが前なので、この強さでフロントにダメージを受ければ、エンジン初め、エンジンルーム内の多くの機器類が損傷を受け、エアバックも全部破裂するので部品代が高額になり、新車同様の車とは言え全損の可能性もあるのですが、リアはトランクルームになっているため部品代があまりかからず、ダメージが大きくても全損になるほどの見積り金額にはなりにくいのです。

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自分には全く非が無く、ただ信号待ちをしていただけなのに、納車から1カ月に満たない新車同様の車が大きな事故被害に遭ったら、私だって誰だって、「新車と取り替えてくれないなら訴えてやる!」みたいな怒りの感情を持つと思います。
しかし、残念ながら法律は残酷なのです。
この画像の本は財団法人日弁連交通事故相談センター東京支部発行の損害賠償額算定基準という本で、通称「赤い本」と呼ばれています。本の右上には弁護士必携と書かれています。
この赤い本には交通事故における様々な損害賠償の裁判例が掲載されております。

この本の中で経済的全損の判断について、「修理費が、車両時価額に買替諸費用を加えた金額を上回る場合には、経済的全損となり買替差額が認められ、下回る場合には修理費が認められる」と書かれており、また過去の判例として、新車ベンツが引き渡しの20分後に追突された場合についても(修理費が339万円程なのでかなりのダメージ)、「既に一般車両と同様に公道において通常の運転利用に供されていた以上、引渡し直後だったことは、新車の買い替えを肯認すべき特段の事情とまではいえない」として、新車買い替えを前提とした車両損害の請求は認められず、修理費をもって車両損害と認められた内容が掲載されています。

このような判例がある以上、今回のプリウスの場合、保険会社が新車に買い替えてくれることはないでしょうし、納得がいかぬと弁護士を立てて裁判してもたぶん勝ち目はないでしょう。
では被害者はどうしたら良いのでしょうか・・・。

こうなりますと被害者であるオーナー様の選択肢は2つしかなくなります。プリウスを修理するか、(修理しないで)新車に買い替えるかです。修理しない場合は修理相当額を協定し、その金額とプリウスを現状のまま売却した金額を元手にして不足分は自己負担して新車を購入することになります。自分は何も悪くないのに修理すればプリウスは事故歴車となって価値が下がり、それが嫌ならさらに追加の費用を自分で負担して新車を買い直さなくてはならないのです。完全な泣き寝入りです。

仕事柄、色々な事故に関わっている私でも今回オーナー様がどういうご決断をなさるのか想像がつきませんでした。お気持ちのうえでは修理したくないだろうなと思っていました。
でもオーナー様は意外にあっさりしていて、「どうせ買い替えは認められないだろうからプリウスを修理してください。その代わり時間はかかってもいいから完璧に直して下さい。」という修理をするご決断でした。新車同様のプリウスなので修理後に保険会社に対して「評価損」を請求するとのお考えもあるようでした。

オーナー様が修理をご決断され、当社にお車の修理をお任せくださるのであれば、私たちとしては、修理後は何のご心配も無くプリウスにお乗りいただけるよう、まるで何事も無かったかのような最高の仕上りをご提供するべく丁寧に作業させていだくのみです。
当社のホームページのキャッチコピーの通り、最先端設備と匠の技で誠心誠意プリウスを修理させていただきます。
それでは実際の修理内容をご紹介致します。

■修理内容

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先ずプリウスの損傷がどこまで波及しているのかを正確に把握する必要があります。フレームダメージも大きそうですし、左後のサスペンションは根元からちぎれてしまっています。サスペンションや外装部品、室内のカーペットやトリム類もすべて取り外し、プリウスの車体を三次元測定します。
フランスセレット社のナジャ(NAJA)というコンピューター計測機で目視では判らないわずかなボディーのひずみまできっちり測定します。

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セレットナジャを使えばボディーのわずかな歪みでも0.1mm単位で三次元計測することができます。今回のプリウスのような大きな事故の修理には絶対に欠かせない測定機器です。セレットナジャで測定した結果、後部座席に下にまでダメージが波及してることが判りました。

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フレームのダメージを修正するため、プリウスをフレーム修正機にセットします。インターパシフィックではセレットベンチというフレーム修正機を使用しています。このフレーム修正機はベンツ、BMW、ポルシェなどヨーロッパの主要メーカーの指定を受けており、世界中の板金塗装工場で採用されております。車種ごとに専用の固定ジグが用意されており、そのジグを使って修理をすると高精度のフレーム修正ができます。フレーム修正機の上に取り付ける固定ジグはセレット社の輸入元から購入するかレンタルすることができます。
欧米に広く輸出されているトヨタ プリウスも専用ジグが開発されており、修理期間中レンタルで借りました。

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これがトヨタ プリウスのデータシートです。このデータシートの通りにセレットベンチの上にタワーとジグをセットします。

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セレットベンチに固定されたプリングユニットを使ってプリウスを引っ張ります。10トンのパワーで様々な角度に引っ張ることができます。

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横に引いたり

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下方向に引いたりもします

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追突された左だけでなく右側のフレームにもダメージがあり、フレームが少し外側に開いてしまっていました。

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ホイールハウスを引くために、車体に穴を開けたりもします。
切断したり溶接を剥がして取り替えてしまうパネルやフレーム以外の部分が正確に元の位置に戻るように修正します。

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このようにしてフレーム修正をした後、修理できずに取替を要するパネルやフレームをエアーソーで切断したり、ドリルやサンダーを使って溶接を剥がして取り除きます。
ほとんどプリウスの後半分が無くなってしまいました。
見るとショックでしょうから、できればオーナー様にはあまりお見せしたくない状態なのですが、オーナー様は工場にお越しになった際、平気なお顔でこの状態のプリウスをご覧になられました。

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フレームやインナーパネルを仮合せします。車を修理しているというより、プリウスを一台作っているような作業です。

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このように車体の一部を取り除き、新たにフレームやパネルを溶接する作業を行う場合、作業者の勘や経験に頼るわけにはいきません。メジャーを使って寸法を測りながら、現物合せでこれらの作業をしたとすると、完全な機能回復は見込めません。

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例えばサスペンションの取り付け部でわずか1mmの誤差を生じさせても車はまっすぐ走らなくなるのです。その点プリウス専用のジグを使ったセレットベンチであれば、フレームをその上に固定すれば要所の寸法の狂いは生じません。
これがベンツ、BMW、ポルシェなどのメーカーから指定を受け、世界中の板金塗装工場で採用されている理由です。

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仮合せが済むといよいよ溶接作業に入ります。
溶接強度を考えながら慎重に作業を進めます。

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プリウスは軽量化のために特徴的なボディー構造となっています。ボンネットとリアゲートにアルミニウムを採用し、ドアパネルやフロアパネル、そして骨格部位に高張力鋼板や超高張力鋼板を採用しています。高張力鋼板は普通鋼板に比べ引っ張り強度が高い鋼板で、薄くても強度があるため自動車の軽量化のために近年多く採用されている鋼板です。
溶接も難易度が高く、高張力鋼板に対応した溶接機や専用の溶接ワイヤーを使用しないと溶接不良を起こします。車の軽量化により、板金塗装修理の現場でも高度な技術や先端の設備導入が必要となってきています。

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リアフェンダー等、溶接してしまったら隠れてしまう部分は予め塗装しておきます。

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リアフェンダーを溶接してしまう前にリアゲート、リアバンパー、テールランプを仮付けし、建付けの最終確認をします。

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溶接完了です。リアフェンダーもしっかり溶接できました。

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プリウスをフレーム修正機から降ろし、整備リフトに移します。

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再度セレットナジャでプリウスを計測し、フレーム修正の作業精度を確認します。

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測定の結果すべての数値が基準値内にあることが確認できました。次の工程は防錆処理となります。

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溶接箇所は錆易いので、きれいに研削し、防錆プライマーを塗布します。

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プリウスを塗装ブースに移し、サフェーサーと下塗り塗装を行います。

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このグレーっぽい色はプリウス新車製造時のカチオン電着塗装の色です。当社は新車ラインではなく修理工場ですので電着塗装はできませんが、色だけは同じ色合いに調色して塗装します。

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インナーの塗装が終わると、プリウスを再びリフトに載せ、シーリング作業を行います。

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溶接の合わせ目や鋼板の折り返し部分に、オリジナルに似せてシーリングを施します。

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プリウスは室内はベージュのシーラーですが、フロアは黒いシーラーを使っています。これもオリジナル通りにします。

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ホイールハウスにはシーラーだけでなくチッピングコートも塗布します。場所場所によって、シーラーやチッピングコートの種類や肌が異なるため、それぞれに合ったシーラーガンや材料を探すのに苦労しました。ここまで大がかりなプリウスの修理は初めてなので、道具や材料の選択にも時間を要しました。

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スペアタイヤの下に貼り付けるサウンドアブソーバーもトヨタの純正品が供給されていないため、同じ様な素材の物をあれこれ探しました。

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トランクルームに外装色(202)の黒をうっすら吹き付けます。
プリウスは元々がこんな感じに仕上がっていました。
新車の塗装ラインではロボットで外装を塗装するのですが、室内側はカーペットやトリムが付くので塗装する必要がないため、塗料が飛散して室内側にうっすら色がかかるのでしょう。
これでは物足りないからと言ってこれ以上黒を吹き付けてしまうと、かえって、いかにも大きな修理をしましたという感じになってしまうので、あくまでもオリジナルに忠実に再現させます。シーラーやチッピングコートも同じ理由であれこれ道具や材料を探してオリジナルな風合いに再現させるのです。

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いよいよ外板パネルの塗装下処理作業に入ります。この時点ではサスペンションも新品部品に取り替えてボディーに装着しています。
プリウスを再び塗装ブースに入れて、リアフェンダーやリアゲートパネルにサフェーサーを塗装します。塗装後は加熱乾燥させて、サフェーサーを充分に硬化させます。

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サフェーサーが充分に硬化したら、研ぎ作業を行います。わずかなひずみを研ぎ落とし、塗料の密着性を良くするための足付けをします。
右側のリアフェンダーにひずみがあり、左のリアドアはエッジが傷付いていたのでこの2パネルも修理して塗装します。

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プリウスの外板パネルを塗装する前に、バックパネルとロックピラー(リアドアを開けた内側)を塗装します。

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最後はボディーの塗装です。一連の塗装作業は全て塗装ブースの中でゴミやホコリをシャットアウトして行います。プリウスのオリジナルな塗装の肌を忠実に再現させます。

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リアゲートはスタンドに固定して単体で塗装します。塗装が終わると塗装ブースを乾燥モードに切り替え加熱乾燥させます。完全硬化させパネルが冷えたらポリッシュ作業を行いプリウスを仕上げます。

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画像を拡大してもどこを映したものか判りづらいと思いますが、これはリアゲートの取り付けボルトを塗装したところを撮ったものです。
ボルトはスパナで締め付けますので、ボルトの角が傷付いてしまいます。中古車の査定ではパネルの取り付けボルトを凝視して交換歴があるか無いかをチェックします。
修理歴のある車は、ボルトを筆で塗装しただけであったり、何もしていなかったりということが多く、中古車査定の現場では先ずそこをチェックします。
インターパシフィックは、決してだれかを欺くためにこうした作業をしているわけではありません。ただ私だったら、もし自分の大切にしている車がいかにも修理しましたという内容で作業されたら、なんか手を抜かれて雑な仕事をされたなとがっかりすると思いますので、自分がされたら嫌だなということをお客様にしないように心がけているのです。私は見えるところは綺麗に修理されているのはプロとして当たり前のことであり、見えない裏側であっても手を抜かず丁寧に作業することこそが車の修理のプロとして大切なことだと思っています。

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プリウスは新車時にコーティングをしていたそうなので、全ての組み付け作業が終わってから、当社でボディーガラスコーティングを施工させていただきました。コーティング費用はもちろん保険会社に請求させていただきます。
インターパシフィックでは板金塗装工場の特徴を生かし、ガラスコーティングを施工した後、車を塗装ブースに入れて、塗装同様、加熱乾燥を行います。これによって、強固なコーティング被膜が完成します。当社ではこれを「焼付コーティング」と称しております。

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プリウスの修理、完成しました。フレームには事故による変形やひずみは一切残っておりませんし、足回りに関しましても四輪アライメントを調整し、数値が基準値内であることを確認いたしました。

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修理期間が長く、ずいぶんお待たせしてしまいましたが、インターパシフィックを信頼して大切なプリウスの修理をご用命頂き、オーナー様には心より感謝致します。
このたびは本当に災難でしたが、これからプリウスを長く、快適にお乗り頂けるよう当社として最善の方法で修理させていただきました。どうか安心してプリウスにお乗りください。

株式会社インターパシフィック・千村尚紀

 

BMW 323i バンパー修理

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BMW 323i バンパー 板金塗装 修理です。

ちょっとバンパーの角を擦った程度であれば、バンパーを脱着せずに傷を修理し、部分塗装でお安く仕上げることができますが、さずがにここまで変形してしまうと新品バンパーに取替えたいところです。

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BMW 323iのオーナー様は保険は使わずなるべく費用を抑えた修理を希望されていました。しかしバンパーを取り外し、分解してみないことにはバンパーの裏側が割れてしまっているかどうかわからないし、また変形をきれいに修理することができるかどうかも判断しにくいので、バンパーを外した時点で修理方法をご提案させて頂くことをご承諾頂き作業を開始しました。

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バンパーを分解してみると幸いにも割れはありませんでした。ヒーターガンで変形した部分に熱をかけ、少しずつ修正します。

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変形を元通りに修理し、表面を削りこんで仕上った状態です。かなり変形は酷かったのですが、パテは一切使わずに直しました。

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バンパー全体に飛び石による傷がついていましたので、全面を削り込み傷を落とします。

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バンパーをきれいに脱脂してからプライマーサフェーサーを塗装して塗面をしっかりシールします。
色の染まりを良くするために黒のサフェーサーを塗装しました。
充分に加熱乾燥させた後、水研ぎで平滑に研ぎあげます。

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色の差異が出ないよう、BMWのボディー色を丁寧に調色します。塗装ブースの中でゴミが付かないよう慎重にに作業を行い、BMWの塗装の肌を忠実に再現させます。

BMW323i-20110805

パテを使わず加熱修正ですっかり元通りにBMWを修理できました。

BMW323i-20110805

BMW 323iのバンパー修理費用は税込み104,223円(工賃100,275円、部品代3,948円)となりました。

お客様は当社が加盟している鈑金匠ネットENEOSプリカ還元サービスを希望されました。鈑金匠ネットでは税込修理代金10,000円につき500円分のENEOSプリカを加盟工場で修理されたお客様にプレゼントしております。今回は5,000円分のENEOSプリカをプレゼントとなります。全国のENEOS(新日本石油)のサービスステーションはもちろんのこと、セブンイレブン、ローソン、ファミリーマートなどでもご利用いただけます。
このたびはインターパシフィックにBMW 323iのバンパー修理をご用命くださり、誠にありがとうございました。