今回のテスラ モデルXの作業方針は、左リアドアの取替塗装とロッカーパネルの板金修理及び塗装、サイドスカートの取替とリアドアに隣接するフロントドアやクォーターパネル等への色合わせの為のボカシ塗装と言う作業内容になります。
テスラ モデルXのリアドアは、スイッチ操作により全自動で開閉するファルコンドアが特徴的なお車になりますが、車両の横や上部に障害物がある場合にはそれを避ける様にドアの開き方がコントロールされる為、ドアパネル内部には高感度な超音波センサーが取り付けられておます。
この超音波センサーの反応エリア約３０ｃｍの範囲に損傷がある場合は、超音波センサーの反応感度に影響が出てファルコンドアの開閉にも影響が及ぶ為へこみの板金修理はする事が出来ずドアパネルを交換する必要があります。
写真のリアドアのサービスホールの奥にあるアルミシートの中央に新品の超音波センサーが取付けられます。

新品のリアドア裏側のパネルの合わせ目にオリジナルと同様にシーリングを施します。

ボディ側ロッカーパネルのへこみを板金修理します。
テスラ モデルXはリアドアやこのロッカーパネルも含めアルミ製パネルになります。
アルミ製パネルのへこみを引き出すには、パネルが裂けてしまう恐れがある為瞬間的に強力な力を加える事は出来ず、スチール製パネルと同様なへこみの引き出し方法を採る事が出来ません。
したがって今回は、デントリペア職人さんがよく使っている道具を使って作業をしました。
へこみを引き出したい部分にアダプターを接着し専用のプルユニットでゆっくり慎重に引き出します。

パネルが裂けることも無く綺麗に引き出す事が出来、板金修理が完了です。

板金修理部分に僅かに残る凹凸にはパテを付けて綺麗に成形します。

パテを付けた部分を覆い隠す様にプライマーサフェーサーを塗装し、しっかりシールして赤外線ヒーターで十分に加熱乾燥させます。

ロッカーパネルをボディ色で塗装します。

新品のファルコンドアを専用の塗装台にセットし、ドアの裏側をオリジナルの雰囲気を再現すべく塗装します。

続いてゴミや埃をシャットアウトした塗装ブースで、熟練の塗装職人がファルコンドアの表側をテスラ モデルXの塗装肌や質感を再現すべく丁寧に塗装します。

今回の事故による直接的な損傷はありませんがボディ色が3コートパールの為、交換するリアドアとの色の差異を無くす為に隣接するパネルへの色合わせの為のボカシ塗装を行います。
ボカシ塗装するパネルの表面を目の細かい研磨紙で削り落して足付けを行い、ボカシ塗装作業の準備完了です。

新品のリアドアパネルと同様にゴミや埃をシャットアウトした塗装ブースで、熟練の塗装職人がテスラ モデルXの塗装肌や質感を再現すべく丁寧に塗装して、リアドア交換に伴うボカシ塗装の完了です。

塗装作業完了後、取り外していた部品を全て元通りに組み付けした後、車両にパソコンを接続してファルコンドアに取り付けた超音波センサーの感度の確認・調整をします。
ここでの確認・調整を万全に行わないと、ファルコンドアの開閉に支障をきたす事になってしまいます。

最後に洗車・最終仕上げ磨きをして、テスラ モデルXの板金塗装 修理は完了です。