ホンダ インテグラ(HONDA) 板金塗装 修理です。
中央分離帯の無い見通しの良い道路を走行中、対向車がいきなり直近右折してきて、よけきれず衝突してしまいました。車の損傷はかなり酷いのですが、オーナー様にお怪我がなかったのが不幸中の幸いでした。事故の過失割合は相手側が圧倒的に多く、保険会社の見解では相手側に9割の過失があるとのことでした。しかし相手の運転手はそれを認めず交渉が難航し、時間ばかりがいたずらに経過してしまいそうでしたので、先ずはオーナー様の車両保険で先行して修理を行い、あとは保険会社同士で調整するということになりました。
オーナー様がこのホンダ インテグラの最終モデルを新車で購入してからまだ一ヶ月しか経っておらず、とにかく完璧に修理したいとのご要望で長野県から当社にご用命いただきました。
保険会社とも交渉し、長野県から神奈川県の当社までの車の陸送費用は保険で支払われる事になりました。
損傷状況:
フロント部分が大破しておりかなり大掛かりな修理になりそうです。
コアサポートがグッチャリつぶれています。
エンジンが押されているように見えます。エンジン損傷の有無が気がかりです。
修理内容:
先ずフロント部分をすべて分解し、エンジンとフロントサスペンションを取り外します。一部の部品交換は必要ですが、幸いエンジンに大きなダメージはありませんでした。
左のサイドメンバー(フレーム)がご覧の通りつぶれています。
フレーム修正作業に入る前に損傷度合いを正確に把握する必要があります。リフトアップし、セレットナジャというボディー三次元測定器で精密な計測を行います。
セレットナジャを使うと0.1mm単位という高精度でボディの歪みを三次元計測することができます。
測定結果をプリントアウトしました。このデータから左のフレーム先端が基準値に対し外側に3.2mm曲がり、後ろに4.1mm押されており、右のフレーム先端が3.3mm下がっていることが判りました。最初の見た目ではその他の部位にも少なからず損傷が波及しているのではないかと思いましたが、エアバックも出ていなかったですし、見た目ほど大きなフレームダメージではなさそうです。
セレットベンチというフレーム修正機に車をセットします。セレットベンチは車種ごとの専用ジグで修理車両を固定し、精密なフレーム修正を可能にします。ベンツ、ポルシェ、BMWなどのヨーロッパの主要メーカーから指定を受け、世界中のボディーサービスで使用されております。
車をセレットベンチにセットし、損傷部位をいろいろな角度から引いたり、押したりして修正していきます。
新品のフロントサイドメンバーです。
車の強度や修理品質に影響するので、先端のグチャグチャに潰れた部分だけ部分的にカット交換します。
フレームの交換範囲は最小限にし、なるべく板金修正で対応することが大切です。
フレーム修正完了です。
防錆処理を施し、プライマーサフェーサーを塗装します。
フレームの塗装を行います。
再度セレットナジャでボディアライメントを測定します。フレーム各部がキチンと基準値内であることが確認できました。
エンジンルーム内も元通りにします。
ボンネット、フェンダーの仮合せをします。
外装部品にサフェーサーを塗装します。
塗装作業はブースの中でゴミやホコリをシャットアウトして、慎重に丁寧に行います。何といっても新車で購入したてのお車です。輸入車と同様ヨーロッパ製の最高級塗料を使って耐久性の高い塗装を行います。
これがインターパシフィックの「こだわり」、ボルト類の塗装です。外見は綺麗になってあたりまえ!見えないところまで綺麗にするのが「こだわり」です。フェンダーやボンネットを交換した痕跡を残さないように仕上げます。
フレームのボルトも塗装します。
インテグラを新車で購入した際、オーナー様はガラス系のボディーコーティングを施工されており、保険会社は塗装した部分の再施工は認定してくれました。当社のホームページをご覧になり長野県から修理をご依頼くださったので、保険で認められない部分は当社のサービスということで、車全体をポリッシャーで磨き上げ、G’ZOXリアルガラスコートを施工させていただきました。
ガラスコーティングの耐久性を向上させるため、ブース内でコーティング被膜を加熱乾燥させます。
修理結果:
新車で購入してまだ一ヶ月しか経っていないのに、対向車がいきなり右折してきて大きな損害を被ったうえに相手側と過失割合で揉めたり、修理に時間がかかったりで、オーナー様は相当ストレスがおありだったと思いますが、私たちのベストを尽くしてお車を修理させていただきました。
ホンダ インテグラの板金塗装 修理代金は部品代が1,151,756円(税込み)、工賃が957,012円(税込み)で合計2,108,768円(税込)となりました。