フェラーリF355の右ロッカーパネルカバー交換修理事例をご紹介致します。
購入してからほとんど乗っていないのに、グラスファイバーでできているロッカーパネルカバーをぶつけてしまいました。完全に割れてしまっています。
ファイバー製品ですので、このように形が残っていれば修理してできないことはありませんが、かなりの修理時間を要します。できれば交換したいところですが、値の張る部品ですのでせめて中古部品でもあれば・・・・。
あれっ、もしかして部品庫にあったような微かな記憶。右だっけか左だっけか、とにかく探してみようということで当社の倉庫を探してみました。
ありました!しかも同じ右側!
擦り傷やチッピングが沢山付いているけど、こちらを修理して塗装したほうが絶対きれいに仕上がります。
オーナーさんも喜んでくださいました。
本当に偶然、同じ右側だけ持っていたのです。おそらく以前保険修理で取り替えたか何かの残物だと思います。
ロッカーパネルカバーを取り外すと、フェラーリF355のステップ部は写真のようになっているのですが、最初にキックプレートを外さなくてはロッカーパネルカバーは外れません。
そしてこのキックプレートが曲者です。
ボディーにしっかり接着されているので、取るのが大変なんです。
フェラーリは個体差が大きいので、接着剤の量が少なければ、丁寧に作業すればきれいに剥がせて再使用できるのですが、接着剤でびっちり取り付いていると剥がす際にキックプレートが変形し、まともには再使用できない場合があります。
したがって極力頑張ってみますが、接着が強すぎてキックプレートが変形してしまったら交換となることを予めオーナー様にはご承諾頂かなくてはなりません。
因みに、交換となった場合、部品代は9万円位かかります。
今回はなんとか上手く接着を剥がすことができました。
ロッカーパネルカバーの表面に付いた傷をサンダーを使ってきれいさっぱり削り落します。
パテを使わなくてはならない程の傷はありませんでした。
プライマーサフェーサーを塗装し、ロッカーパネルカバーをしっかりシールします。
加熱乾燥させた後、水研ぎして仕上げます。
塗装ブースのなかでゴミやホコリの付着に細心の注意をはらい、フェラーリの塗装の質感を再現させます。
次に部分的に艶消しの黒を塗装します。
この艶消しの黒も、色合いと艶の引かせ加減が難しいのです。ただの艶消し黒を塗装したらオリジナルとはまったく違った質感になり、いかにもそこを塗装しましたという安っぽい出来栄えになってしまいます。
フェラーリはF355だけでなく、360モデナでもF430でもバンパーやトランクルーム等随所に艶消しの黒が塗装されています。
オリジナルと同じ黒を再現できるかどうかがフェラーリを上手に仕上げるうえでの一つの肝と言っても過言ではありません。
完成です。フェラーリF355はすっかり元通りになりました。
今回の修理費用は税込み160,566円となりました。
このたびはインターパシフィックにフェラーリF355の修理をご用命頂き、ありがとうございました。
大切なお車を何事も無かったかのように
大切なお車を
何事も無かったかのように
インターパシフィックは長年にわたり高級輸入車の板金塗装を数多く手掛け、技術を磨いて参りました。
難易度の高い修理に対応する最新設備を導入し、厳選した塗料や材料を使用することで、高い修理品質を実現しております。
私達は、大切なお車が「ちゃんと元通りに直るのだろうか?」というお客様の不安を安心と喜びに変えることを最大の使命と考え、完成まで一切手を抜きません。
どこをどう直したのか全く分からないように、完璧な仕事を心掛けております。