自損事故を起こした、ポルシェ 996の板金塗装 修理事例です。
損傷状況:
峠のコーナーを曲がりきれずに岩にぶつけてしまい、右の前から後ろまでダメージを負ったポルシェ996の板金塗装修理事例です。 このポルシェ996は事故現場より車輌積載車で搬送されてきました。お客様にはおケガが無く何よりでした。
フロント、リヤ共にサスペンションにかなりのダメージがあり、右側の前後サスペンションパーツはほとんど交換が必要です。
ボディーのダメージとしては、フロントバンパー、フロントフェンダーは交換が必要で、フロントフードパネル、ドア、リヤフェンダー、ロッカーパネル、リヤバンパーにもヘコミや傷があります。
修理方法:
まずセレットナジャでボディーアライメントを測定し、フレームにダメージが無いかどうかを三次元計測します。バンパーやフェンダー、フードパネルなどを取りはずし、サスペンションも分解して細かく計測する必要があります。計測の結果、4ヵ所にフレームダメージを確認しました。
上記4ヶ所とも目視ではダメージを確認することはできませんでした。セレットナジャで三次元計測しなければ、またセレットベンチというジグ・ベンチ式フレーム修正機を有していなければ、熟練工でも見落としてしまうかもしれない程度のフレームダメージです。しかし僅か数ミリの歪みによって修理後の走行に支障をきたすことがあるのです。
セレットベンチというジグ・ベンチ式フレーム修正機に車体をセットし、損傷部位を修復します。写真は右フロントショックアブソーバーのアッパーマウント取り付け部が5mm突き上げられているのを下方向に引っ張り修正している場面です。
フレーム修正作業の後、交換部品の建て付け調整や各部の板金修理を行います。塗装工程に入り、交換したり、板金したパネルにサフェーサーというプライマーを塗装します。プライマー塗装でもブース内で作業して、充分に加熱乾燥させます。丁寧な下地処理が塗装の美観にも大きく影響するのです。
ロッカーパネルにはチッピングコートを塗布し、表面をブツブツに塗装しました。この表面のブツブツの肌をオリジナルと同じ風合いにするのが匠の腕の見せ所です。この作業一つとってみても、これまで数々の材料を試験し、何丁もの塗布ガンを変えました。因みにロッカーパネルはフレームの一部と見なされるため、ロッカーパネルを板金塗装修理した車は修復歴車、すなわち事故歴車と査定されてしまいます。「修理したかどうか判らない・・・」そんな仕上がりがインターパシフィックの追求する修理品質です。
今回このポルシェのフロントフェンダーは、交換しました。その際フェンダーの取付けスクリューは、トルクスレンチによって傷ついてしまいます。インターパシフィックではパネル交換の際に工具で傷ついてしまうスクリューや取り付け部を塗装して、パネル交換の痕跡を消してしまいます。写真はフロントフェンダーの内側の取り付け部分を塗装する場面ですが、こうすることが当社のこだわりであり、ボディーの内側にも細心の注意を払い丁寧に仕上げます。
塗装ブースを使用し、ゴミやホコリをシャットアウトして、外装パネルやバンパーの塗装を行います。どんなに高価な塗装ブースを使っても作業者の腕が悪ければ塗面はゴミだらけになってしまい、安っぽい塗装肌になってしまいます。高度な技術と集中力が欠かせません。
このポルシェ996は右側の前後サスペンションを全て交換することになりました。ラジエター、クーラーコンデンサーなどフロントバンパーのすぐ後ろに付いている機器類も交換しました。
修理結果:
四輪ホイールアライメントを調整し、走行テスト、各部点検、洗車、ボディー磨き、室内清掃を実施し、お客様にお納車させていただきました。ポルシェの修理費用は300万を超える高額修理となりましたが、お客様は車両保険に加入されておりましたので、保険修理として対処させていただきました。
大切なお車を何事も無かったかのように
大切なお車を
何事も無かったかのように
インターパシフィックは長年にわたり高級輸入車の板金塗装を数多く手掛け、技術を磨いて参りました。
難易度の高い修理に対応する最新設備を導入し、厳選した塗料や材料を使用することで、高い修理品質を実現しております。
私達は、大切なお車が「ちゃんと元通りに直るのだろうか?」というお客様の不安を安心と喜びに変えることを最大の使命と考え、完成まで一切手を抜きません。
どこをどう直したのか全く分からないように、完璧な仕事を心掛けております。